PRESS RELEASE 調査・レポート

地方創生の死角? 東京在住の北海道・東北出身大学生、94.3%が「地元好き」も、Uターン就職希望はわずか11.4%に留まる ~「地元が好きだけど、戻れない」働き口不足による 「Uターン諦め層」が約半数(48.4%)存在すると判明~  地元帰り隊! 代表:田井 紘花(たいひろか) (お茶の水女子大学 生活科学部2年)

■ 調査実施の背景と動機 人口1,410人の過疎地域出身である筆者は、消滅可能性都市と呼ばれる地元を救う具体的な策を見出す...

出典: ぷれりり掲載リリース

調査実施の背景と動機

人口1,410人の過疎地域出身である筆者は、消滅可能性都市と呼ばれる地元を救う具体的な策を見出すため、東京の大学へ進学しました。しかし、大都市圏での生活を経験する中で、地元へ戻るよりも日本の経済や文化の中心である東京で挑戦し、働きたいと思うように、意識が変化していきました。
この心情の変化の中にこそ、地方の若年層流出を食い止めるための重要なヒントが隠されているのではないかと考え、本調査の実施に乗り出しました。今回は、筆者と同じく東京の大学に通う北海道・東北出身の学生を対象に、彼らが抱く「地元への意識」と「将来の就職」に関する本音のアンケート調査を実施・分析しました。

調査結果:浮き彫りになった「地元愛」と「就職先不足」の歪み

調査の結果、「地元が好き」と答えた学生が94.3%と圧倒的な割合にのぼったのに対し、「実際に地元で就職したい」と答えた学生はわずか11.4%に留まるという、深刻な乖離が浮き彫りになりました。
地元以外での就職を希望する最大の理由としては、「出身地には就職の選択肢(職種・業界)が少ないから(58.1%)」が過半数を占め、次いで「出身地に魅力的な企業がないから(22.6%)」が上位となっています。この結果は、単に東京という都市が魅力的だからという理由だけでなく、地方企業が都市部の優秀な学生に対して自社の魅力を届ける接点を持てていないという課題も示唆しています。

【重要データ】『Uターン諦め層』って何?
全国の大学生112人を対象にした比較調査では「地元が好き」と答えた割合が92.9%であったのに対し、北海道・東北出身者は94.3%と、わずかではありますが愛着が高い傾向があります。しかしその愛着とは裏腹に、51.6%が「地元に戻らない」と回答。さらに『戻りたい』と心では思っている層の100%が、実際には地方外での就職を予定しているという強い構造的歪みが生じています。これが、潜在的には帰郷願望を持ちながらも選択肢のなさから諦めている『Uターン諦め層』の実態です。

【実際の声】
「就職で地元に帰りたいと思う気持ちはあるが、実際に初就職で帰る確率は少ないと考える。なぜなら選択肢が少なかったり、事業の規模が小さいなど将来の展望に沿った形にすることは難しいと思うからだ。業務形態の発展により地方でも可能な仕事の提供だったり、首都圏やその他国内への移動の際、補助などがあれば地元でも仕事がしやすいと考える。また、地元での仕事であれば起業することも考える。」
(18歳・大学1年生・女性・北海道出身)

また、学生が地元に戻らないことを選択する具体的な要因としては、単なる就職先の有無だけではなく、「若年層向けの娯楽・文化的施設の少なさ」「都市部と比較した際の圧倒的な賃金の低さ」「将来的な子育て環境への不安」「医療機関や公共交通機関へのアクセス利便性の悪さ」といった、生活インフラ全体の格差が背景に挙げられました。若者の地方流出の本質は、「地方には娯楽がない」という表面的な娯楽・環境問題に留まりません。真の課題は、「ファーストキャリアの選択肢が東京を中心とする大都市圏に圧倒的に偏っている」という構造にあります。地方創生や若者の還流が叫ばれる中、この『約半数が最初から諦めている』という厳しい現状は、人口流出の止まらない地方自治体や人手不足に悩む地方企業にとって看過できない課題であると言えます。

「月イチ帰省応援クーポン」が地方の関係人口を増加させる!?

今後、急激な人口減少と衰退が進むと予想される地方都市に必要なのは、住民票ベースの定住人口を追うことだけではありません。本心では「地元に関わりたい」「戻りたい」と強く願っている、都市部に滞留する『潜在的関係人口』へアプローチすることも重要です。

アンケートにおいて「地元に戻るきっかけとして、最も魅力的な施策はどれですか?」と質問したところ、「地元への直接的な就職支援」(48.2%)、「帰省費用の経済的補助」(47.0%)という2つの施策が突出して高い数字を獲得しました。細かく分析すると、「地元に戻りたい」と回答した層は地元への就職支援、リモート勤務、行きたい分野の企業、高収入企業など、仕事に関する施策に魅力を感じる一方、「地元に戻りたくない」と回答した層は就職の支援よりも帰省費用補助に魅力を感じています。

これらのデータから、地方自治体や企業が人口増加のために講じるべき有効な一手としては、地方への移動・就職活動費用に直接利用できる「月イチ帰省応援クーポン」の発行や、首都圏での「地方特化型企業合同説明会・インターンシップ」の積極開催、物理的に移住せずとも地方に貢献できるリモート雇用や副業支援が挙げられます。関係人口の増加については、帰省費用の補助が有効と言えるでしょう。

【今後の取り組み】
①「Uターン諦め層」のコミュニティ創設!参加しませんか?
②大人サポーター大募集!一緒に企画を発信しましょう!

現在、筆者は「地元に帰りたいけれど、帰れない」という同じ葛藤を抱えたUターン諦め層の学生が繋がり、情報交換やキャリア模索を行うことができるコミュニティの設立・基盤整備を進めています。

また、かつて地元を離れ、そのまま都市部でキャリアを築いたことで「どこか地元に対して負い目や申し訳なさ」を抱え続けている社会人・大人の皆様を広く募集しています。かつての自分と同じように夢と現実の狭間で葛藤している現役大学生たちと交流・対話することで、ご自身が心の中に抱えてきた後悔を昇華させ、新しい形での地方貢献の一歩を踏み出してみませんか?

【調査の概要】
・調査期間:2026年5月22日  ~2026年5月29日
・分析機関:2026年6月17日  ~2026年6月30日  
・調査対象:日本全国の大学生
・調査方法:インターネットによるアンケート調査
・有効回答数:112(北海道・東北出身者35名、そのほかの出身者77名)

【本件に関するお問い合わせ・コミュニティ参加のご連絡先】
地元帰り隊!プロジェクト
代表:田井 紘花(お茶の水女子大学 生活科学部2年)
事務局Email:
Instagram: https://www.instagram.com/zimoto.or.tokai/

監修
お茶の水女子大学 共創工学部 教授 太田裕治
Email:
総合コース(アントレプレナー)担当講師
 株式会社羽生プロ 代表取締役社長 羽生祥子
Email:
総合コース(アントレプレナー)担当講師
 株式会社MYコンパス 代表取締役 岩橋ひかり
Email:

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