サイトの引っ越しと日々の保守。自分でやる範囲と頼む範囲を分ける
サーバーの契約更新が近づき、乗り換えを考え始めた。あるいは、前任者が作ったサイトの管理を引き継ぐことになった。どちらの場合も、最初にぶつかるのは「何がどこにあるのか分からない」という状態です。
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サーバーの契約更新が近づき、乗り換えを考え始めた。あるいは、前任者が作ったサイトの管理を引き継ぐことになった。どちらの場合も、最初にぶつかるのは「何がどこにあるのか分からない」という状態です。
サイトの引っ越しは、ファイルとデータを移せば終わりではありません。メールの受け取り、ドメインの向き先、証明書の設定。表示だけを見て終わらせると、あとから連絡が届かないという事故になります。
この記事では、移す前に確認するもの、自分でやる場合の順番、外に頼むときの伝え方、そして公開後の保守で見るところを順に整理します。
移転でつまずくのはどこか
移転の作業でつまずく場所は、だいたい決まっています。
ひとつは、データの移し忘れです。記事や画像は移したが、フォームの設定や会員の情報が残っていた。あるいは、表示に使っていた拡張機能のうち1つだけ入れ忘れていた。移した直後は気づかず、数日後に指摘されることがあります。
もうひとつは、メールです。独自ドメインのメールを同じサーバーで受けている場合、移転すると受信の設定も一緒に変わります。ここを見落とすと、問い合わせが届かない状態が続きます。
ドメインの向き先も忘れられがちです。移した先を指すよう設定を変えるわけですが、この変更は世界中に伝わるまで時間がかかります。切り替えた瞬間から全員が新しい環境を見るわけではありません。
そして、通信を暗号化する証明書です。新しい環境で発行し直す必要があり、設定前に切り替えると警告が出ます。
表示が出ているから成功、と判断しないことです。この4つを一つずつ確かめてから、古い環境を止めます。
移す前に確認するもの
作業に入る前に、現状を書き出します。ここが手間のようでいて、いちばん時間を節約します。
まず、契約の名義と更新日です。サーバーとドメインを誰の名義で契約しているか、次の更新はいつか。前任者や外注先の名義になっていると、そもそも操作できません。移転より先に、名義の移し替えが必要になります。
次に、独自ドメインをどこの会社で管理しているかです。サーバー会社とドメインの会社が別なことは珍しくありません。設定を変える画面がどちらにあるのかを把握します。
メールをどこで受けているかも確認します。サーバーに付いているメール機能を使っているのか、別のメールサービスを使っているのか。後者なら、移転しても設定を引き継ぐだけで済みます。
最後に、バックアップの有無です。今の環境で書き出せるか、サーバー側の自動バックアップがあるか。ここが確保できていないうちは、作業を始めません。
サイトが何で作られているかも把握しておきます。仕組みの種類とその版、使っている拡張機能の一覧、動かしている言語の版。移した先の環境が古い設定に対応していないと、そのままでは動きません。
管理画面のログイン情報も一覧にします。サーバー、ドメイン、サイト本体、外部サービス。散らばっていることが多いので、この機会にまとめておくと後任が助かります。
自分でやる場合の順番
自力で移す場合の流れは決まっています。順番を飛ばさないことが要点です。
はじめにバックアップを取ります。データベースとファイルの両方を、手元にも保存します。復元の手順も一度確認しておきます。
次に、新しいサーバーに複製を作ります。多くのレンタルサーバーには移行を助ける機能があり、旧環境の情報を入力すると自動で運んでくれます。うまくいかない場合は手作業になりますが、その場合もデータベースの書き出しと読み込みが中心です。
複製ができたら、ドメインを切り替える前に動作を確認します。パソコン側の設定で新しい環境だけを見る方法があり、この状態でページ、フォーム、管理画面へのログインを試します。
問題がなければ切り替えます。ドメインの向き先を新しいサーバーへ変更し、反映を待ちます。この間は新旧どちらの環境が見えるか分からないため、投稿や更新は止めておきます。
反映が済んだら、証明書を設定し、メールの受信を確かめ、フォームからテスト送信します。ここまで終えてから、旧環境を止めます。解約は数週間おいてからでも遅くありません。
自分でやる時間が取れない、あるいは古い仕組みで作られていて手が出せない場合は、移転そのものを請け負うサービスがあります。自由テキスト(例:日本で最も利用されているサーバー移転代行サービス「サイト引越し屋さん」はこちら)のように移転と移行の代行を専門にしているところなら、他のサービスで作ったサイトからの引っ越しにも対応しています。

頼む場合に伝えること
外に頼むと決めたら、最初の連絡で状況を伝えておくと見積もりが早く出ます。
伝えるのは、現在のサーバー会社とプラン、ドメインの管理会社、サイトの規模(ページ数やデータ量)、使っている仕組みの種類です。管理画面のログインが手元にあるかどうかも書き添えます。
次に、止められない時間帯です。営業時間中は表示が途切れないようにしたい、受注が集中する曜日は避けたい、といった条件があれば先に共有します。
メールの扱いも伝えます。独自ドメインのメールを移すのか、別のサービスへ切り出すのか。ここは作業量が変わる部分です。
そして、公開後の保守を含めるかどうかです。移して終わりにするのか、その後の更新や監視も任せるのか。保守だけを相談できるところもあります。
作業の当日に立ち会えるかどうかも伝えておきます。切り替えの確認を依頼側でも行う場合、担当者が席にいる時間帯に合わせてもらえることがあります。
見積もりを比べるときは、金額だけでなく作業範囲を並べます。テスト環境での確認が含まれるか、切り替え後の不具合対応は何日まで見てもらえるか。この2つで実質の差が出ます。
日々の保守で見るところ
移転が済んだら、そこからは維持の作業です。放っておくと、ある日突然表示されなくなります。
見るのは、まず更新の適用です。サイトの仕組み本体、テーマ、拡張機能。更新を当てないままにすると、外部から狙われる隙が増えます。当てる前にバックアップを取るのが原則です。
バックアップの世代も確認します。毎日取れているか、いつまで遡れるか、復元を試したことがあるか。取っているつもりで中身が空だった、という話は実際にあります。
フォームの動作は月に一度でも試します。仕組みの更新や設定の変更で、送信できなくなることがあります。届く先のメールアドレスが有効かどうかも合わせて確認します。
証明書の期限も見ておきます。自動更新の設定になっていれば通常は問題ありませんが、更新が止まると警告が表示されます。
そして、表示の崩れです。携帯とパソコンの両方で、主要なページを開いて確かめます。サーバー側の性能が足りずに読み込みが遅い場合は、プランの見直しも検討します。独自ドメインや暗号化の費用が料金に含まれているサービスもあるので、更新の時期に条件を比べてみてください。

サーバー選びで見る条件
移す先を選ぶときは、価格だけで決めないほうが後悔しません。
見るのは、想定するアクセスに耐えられるかです。普段は少なくても、告知やメディア掲載で一時的に集中することがあります。同時アクセスの扱いや、上位プランへの変更のしやすさを確認します。
バックアップ機能も条件になります。自動で取ってくれるか、自分で復元できるか、復元に追加費用がかかるか。ここは料金表の下のほうに小さく書かれていることがあります。
サポートの窓口も見ておきます。メールだけか、電話も受けているか、対応時間はいつか。困るのはたいてい営業時間外です。
費用を抑えたい場合は、月額数百円から使えるものもあります。リトルサーバー(低価格のレンタルサーバー)のように低価格で複数のドメインを扱えるサービスなら、小さなサイトを複数持つ使い方に向いています。料金やプランの内容は変わることがあるため、申し込み前に公式サイトで確認してください。
業務システムの都合でWindows環境が要る場合は、対応するサービスを選びます。試用の期間が用意されているところなら、動かしたい仕組みが載るかを先に確かめられます。
よくある質問
移転中にサイトは止まりますか
手順どおりに進めれば、見えなくなる時間はごく短く収まります。ただし環境や規模によって変わるため、時間を決め打ちせず、余裕のある日程を組んでください。
メールも一緒に移りますか
同じサーバーで受けている場合は移す作業が要ります。設定を写し直すことになるので、受信できるかを切り替え後に一つずつ確認します。
新旧の料金が重なりませんか
重なります。切り替えの反映を待つ期間と、確認のための期間を見込んで、1か月程度は両方を契約したままにするのが安全です。
移転後に表示が変わりました
拡張機能の入れ忘れ、キャッシュの残り、画像の読み込み先の違いが主な原因です。旧環境をまだ止めていなければ、見比べると原因を絞り込めます。
古いサーバーはいつ解約しますか
移転後しばらく様子を見てからにします。バックアップを手元に保存し、問い合わせが届いていることを確かめてから解約します。
保守だけを頼めますか
移転を伴わない保守の相談を受けているところもあります。更新の適用とバックアップの確認だけを任せる形なら、費用も抑えられます。
まとめ
引っ越しと保守で押さえるのは3点です。
契約の名義とメールの受け取り先を先に確認すること。バックアップを取ってから、順番どおりに移すこと。そして、公開後に誰が保守をするかを決めておくこと。
どのサーバーを選ぶかで迷っているなら https://zero-press.net/columns/wordpress-server-erabikata を、見た目の土台を替えたい場合は https://zero-press.net/columns/wordpress-theme-erabikata を参考にしてください。移転とテーマの変更は同時に行わず、片方ずつ進めるほうが原因を切り分けやすくなります。








