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会社やお店のロゴを作るとき。決める順番と、あとで困らないデータの受け取り方

ロゴを用意するときに先に決めるのは、デザインより使い方です。使う場所の洗い出しから、既製を選ぶか一から作ってもらうかの違い、依頼時に伝える情報、納品データの形式と権利の確認までを順番に整理します。

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開業やお店の立ち上げ、屋号の変更といったタイミングで、ロゴが必要になる場面があります。名刺を作ろうとしたとき、看板の見積もりを取ったとき、ウェブサイトの制作を頼んだときに「ロゴのデータをください」と言われて、はじめて用意していないことに気づくという順番も珍しくありません。

そこで多くの人は、デザインの見本を探すところから始めます。ただ、先にデザインを選んでしまうと、あとから「名刺には入るが看板では細かすぎる」「白い紙では良いが、濃い色の背景に置くと読めない」といった問題が出てきます。作り直しになると、印刷済みの紙や発注済みの看板が無駄になります。

この記事では、ロゴを用意するときに決める順番を、使い道の洗い出しから依頼の仕方、納品データの受け取り方、使い始めてからの注意点まで整理します。デザインの良し悪しではなく、決め方と段取りの話です。

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ロゴは絵を選ぶ作業ではなく、使い方を決める作業

ロゴは、作った瞬間よりも、そのあと何年も使い続けるほうが本番です。名刺、封筒、請求書、看板、店内の掲示、ウェブサイト、SNSのアイコン、資料の表紙。使う場所が増えるほど、条件は厳しくなります。

たとえばSNSのアイコンは小さな円形に切り抜かれることが多く、細い線や小さな文字は潰れます。看板は逆に大きく引き伸ばされるため、画像の形式によっては輪郭がぼやけます。モノクロのファクスや印鑑のような使い方をされることもあります。

つまり、決めるべきなのは「どんな絵柄が好きか」より先に「どこで、どのくらいの大きさで、どんな色の上に置くか」です。この条件が固まっていれば、案を見比べるときの基準ができます。逆に基準がないまま3案を見せられると、その日の気分で選ぶことになり、あとから迷いが戻ってきます。

最初に書き出しておく4つのこと

ひとつめは使う場所の一覧です。今すぐ使うものと、一年以内に使いそうなものを分けて書き出します。ふたつめは最小サイズ。名刺の隅に入れるのか、封筒の下部に小さく入れるのかで、耐えられる細かさが変わります。

みっつめは色の条件です。白背景だけで使うのか、濃い色の上にも載せるのか。印刷とウェブで色が変わることも見込んでおきます。よっつめは決める人です。家族や共同経営者と一緒に決めるなら、最初から関わってもらったほうが早く進みます。

机の上で下書きを見ながらデザインを検討している様子

「選んで買う」か「一から作ってもらう」か

ロゴを手に入れる方法は、大きく2つに分かれます。すでに完成しているデザインの中から選んで購入する方法と、要望を伝えて一から作ってもらう方法です。かかる時間も、決め方も違います。

既製のデザインを選ぶ方法は、完成形を見てから判断できるのが特徴です。たくさんの候補を並べて絞り込む形になるので、方向性が決まっている場合や、開業日が迫っていて時間が取れない場合に向きます。こうした販売サイトには、たとえばオリジナルロゴマークの販売サイト【ロゴタンク】のように、デザイン制作を手がける会社が運営していて、既製品の販売とあわせて個別の制作にも対応しているところがあります。

一から作ってもらう方法は、屋号の由来や事業の方向性を伝えたうえで、それを形にしてもらう進め方です。時間はかかりますが、他と重ならないものになります。オーダーメイドのロゴ制作を専門にしているところでは、ロゴマークデザイン制作ならコクリロゴのように、初回にテーマや雰囲気の違う案を複数提示し、気に入らなければキャンセルできるという進め方を示している場合があります。提案の本数やキャンセルの条件は依頼先によって違うので、申し込む前に案内を確認してください。

どちらが良いかは、譲れない条件がどこにあるかで決まります。唯一であることが大事なら作ってもらう方向に、日程と手間を優先するなら選ぶ方向に寄ります。金額や納期は依頼先とデザインの内容によって変わるため、複数の候補を同じ条件で見比べるのが確実です。

一から依頼するときに、先に伝えておくと早い情報

依頼先とのやり取りが長引く原因の多くは、情報が小出しになることです。最初にまとめて渡せるものは渡しておくと、修正の往復が減ります。

伝えておきたいのは、正式な表記です。会社名や屋号のアルファベット表記、大文字と小文字の使い分け、記号の有無。これが後から変わると、作り直しになります。読み方や由来、込めたい意味も、言葉にできる範囲で書いておくと、案の意図が伝わりやすくなります。

使う場所の一覧と最小サイズも、最初に渡す情報です。看板に使う予定があるかどうかで、デザインの作り方が変わることがあります。好みの方向性は、言葉より実例のほうが早く伝わります。「落ち着いた感じ」は人によって指す範囲が違うので、参考になる雰囲気を挙げるほうが誤解が減ります。

逆に、避けたい方向も伝えておきます。使いたくない色、業種として誤解されたくない印象、他社と似せたくない要素。ここを言っておかないと、案が出てから「これは違う」と伝えることになり、時間がかかります。

納品データは、形式で使い道が決まる

ロゴが決まったら、データを受け取ります。ここで確認を怠ると、あとで作り直しになります。

まず、拡大しても輪郭がぼやけない形式(一般にベクター形式と呼ばれます)が含まれているかどうかです。看板や大きな印刷物では、この形式のデータを求められることがあります。加えて、背景を透明にできる形式と、一般的な写真と同じ形式があると、資料やウェブでそのまま使えます。制作サービスによっては、こうした複数の形式をまとめて納品することを案内しているところもあります。

もうひとつは権利の扱いです。作ってもらったロゴを自分の事業でどこまで使ってよいか、他の制作物に転用してよいか、権利が譲渡されるのかどうか。ここは依頼先ごとに条件が違い、契約や利用規約に書かれています。既製のデザインを購入する場合も、同じデザインが他の人にも販売されるのか、独占して使えるのかは事前に確認しておくところです。

色の指定も受け取っておきます。印刷用とウェブ用で色の指定方法が違うため、両方の数値がわかっていると、名刺の印刷会社にも看板業者にも同じ色を伝えられます。

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使い始めてから起きやすいこと

ロゴができたあとに増えるのは、実際に載せる作業です。名刺、封筒、ウェブサイト、店頭のサイン、車両、作業着。それぞれに入稿の決まりがあり、渡すデータも変わります。

店舗の入り口に下げられた木製のサイン

名刺は、最初にロゴを載せることになる印刷物です。用紙や納期、データの作り方の考え方は、https://zero-press.net/columns/meishi-net-insatsu にまとめています。会社を作ったばかりであれば、印鑑もほぼ同じ時期に必要になります。こちらは https://zero-press.net/columns/kaisha-inkan-erabikata で、代表者印・銀行印・角印の役割を整理しています。

意外と困るのが、社内での置き場所です。データを個人のパソコンにだけ置いておくと、担当が変わったときに探せなくなります。共有の場所に、形式ごとにまとめて置き、色の指定と使い方の決まりを同じ場所に書いておくと、あとで頼む相手が変わっても同じ見た目を保てます。

使い方の決まりといっても、難しいものは要りません。余白をどれくらい取るか、縦横の比率を変えないこと、色を勝手に変えないこと、背景が濃いときはどの版を使うか。この程度でも、書いてあるかどうかで数年後の見た目が変わります。

なお、ロゴや屋号を新しくしたことは、それ自体が外に伝える材料になります。Zero Press では無料でプレスリリースを配信できるので、店舗の開業やブランドの変更を知らせたいときに使えます。

名前とマークの権利は、どう考えるか

自分で作ったロゴだから自由に使える、とは限らないのが商標の話です。同じ分野で似た名前やマークがすでに登録されていると、思わぬ形で使用を止められることがあります。

ロゴを長く使う予定があるなら、名称やマークが他社の登録と重なっていないかを調べる方法があります。ただし、登録の可否や、どこまでが似ていると判断されるかは専門的な判断になります。特許庁が公開している情報や、弁理士など専門家への相談で確認するのが確実です。この記事の内容だけで判断せず、事業として重要な場面では専門家に相談してください。

デザインを依頼する側として押さえておきたいのは、制作を頼んだからといって、商標として登録できることが保証されるわけではないという点です。制作と登録は別の手続きです。

よくある質問

ロゴがなくても事業は始められますか

始められます。法人登記や開業の手続きにロゴは必要ありません。ただ、名刺やウェブサイトを作る段階で必要になることが多いため、早めに用意しておくと後戻りが減ります。

自分で作ってもよいですか

問題ありません。作図のソフトやサービスを使えば自分でも作れます。その場合も、拡大しても粗くならない形式でデータを残しておくこと、最小サイズと色の条件を自分で確かめておくことは同じです。

案を見せられても選べません

判断の基準を先に決めていないことが原因であることが多いです。使う場所の一覧と最小サイズに戻り、それぞれの案を実際の大きさに縮小して並べてみると、選びやすくなります。

依頼したら必ず気に入るものが出てきますか

出てくるとは限りません。だからこそ、提案の本数、修正できる回数、途中でやめる場合の扱いを、申し込む前に確認しておくことが大切です。条件は依頼先によって違います。

既製のデザインは他の人と重なりませんか

販売の形態によります。同じデザインが複数の人に販売される仕組みのところもあれば、購入後は取り下げられるところもあります。重なりを避けたい場合は、購入前に販売サイトの説明を読み、必要であれば問い合わせてください。

納品後にデータを失くしたらどうなりますか

再発行に対応してくれるかどうかは依頼先の規定によります。受け取った時点で、共有できる場所に保存し、社内の複数人が場所を把握しておくのが安全です。

あとから色を変えたくなったら

色だけの変更でも、印刷物や看板を作り直すことになります。だからこそ、最初に色の条件を決めておくことが効いてきます。変更する場合は、既存の印刷物の残りをどうするかもあわせて決めておきます。

まとめ

ロゴを用意するときに先に決めるのは、デザインではなく使い方です。どこで、どのくらいの大きさで、どんな背景の上に置くのかを書き出しておくと、案を選ぶ基準ができ、あとからの作り直しを避けられます。

手に入れ方は、完成しているものから選ぶか、一から作ってもらうかの2つ。時間と唯一性のどちらを優先するかで決まります。どちらの場合も、納品されるデータの形式と権利の扱いを申し込む前に確認しておくことが、長く使ううえで効いてきます。

受け取ったあとは、共有できる場所に保存し、簡単でよいので使い方の決まりを書き添えておく。ここまでやっておくと、名刺の印刷でも看板の発注でも、同じ見た目を保ったまま進められます。

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