“耐力壁日本一”決める「カベワングランプリ」で総合準優勝など3賞受賞!
“耐力壁日本一”決める「カベワングランプリ」で総合準優勝など3賞受賞! 株式会社AQ Groupのプレスリリース
株式会社AQ GroupがPR TIMESで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

実用性と意匠性の高さを証明した技術、社会実装へ
株式会社AQ Group(本社:埼玉県さいたま市西区、代表取締役社長:加藤博昭)は、10月24日、25日にものつくり大学(埼玉県行田市)で開催された日本一の木造耐力壁を決める「カベワングランプリ」に出場。AQ Groupと東京大学名誉教授の稲山正弘氏、プレカット事業を手掛ける篠原商店、大工で結成された「AQチーム匠」は、総合準優勝、トーナメント準優勝、審査員特別賞という合計3つの賞を獲得し、木造建築企業としての技術力の高さを証明しました。
V字斜材で「受け流す」シンプル構造と国産ヒノキの靭性
木造建築企業ならではの発想で、美しさと高耐力を実現

耐力壁とは、建物において地震や台風などの水平荷重に抵抗する壁のことです。カベワングランプリは年に1度、木造耐力壁の強さ日本一を決める大会で、全国の大学や大手ゼネコンなどの企業が出場。2体の木造耐力壁の土台を固定した状態で引き合い、一方が破壊される、または所定の変形値を超えることで勝敗が決まる大会です。建築を志す学生や企業の技術者がナレッジを共有することで、木造建築の発展にも貢献しています。
今大会は「全長120mmを超えるビスの使用禁止」というルールが追加されたことで、多くのチームが太く重厚な部材を用いた「マッシブな耐力壁」で参戦しました。一方、AQチーム匠は「大会で勝つためだけの壁」ではなく、「実際の街並みや建築空間で求められる壁」を追求。あえてスリムな斜材を用い、繊細な美しさと強さを両立させた耐力壁「暁~あかつき~」を開発しました。国産ヒノキの靭性を活かしながら、2本の斜材をV字に組み、水平力を土台へ受け流す構造は、木材の特性を理解した木造建築企業ならではの発想です。朝日が差し込む姿をイメージし「暁~あかつき~」と名付けました。
決勝戦当日は、事前審査と予選を勝ち上がった8チームがトーナメント形式で対決。AQチーム匠は初戦、準決勝ともに国産ヒノキならではの靭性を発揮して勝ち上がりました。決勝戦はトーナメント優勝を目標とし、予選から圧倒的な耐力で勝ち進んだゼネコン企業。土台に3ヶ所の金物(柱脚プレート)を配したほか、大型木材を筋交いに採用するなど、重厚感のあるマッシブな耐力壁です。引き合いがスタートすると、加力はあっという間に50kN(約5トン)を突破。以後、徐々に「暁~あかつき~」に破損が見られ、57kN(約6トン)に到達した時点でストップ。惜しくも準優勝という結果でした。


一般的な住宅の筋交いの壁と比べ、約5倍相当を誇る耐力壁で出場したAQチーム匠は、トーナメント準優勝に加え、審査員特別賞、さらに材料費や加工費、デザインなどをトータルで評価する総合評点でも準優勝を獲得。今大会の審査員であり、木造建築のデザインや構造設計において、数多くの受賞経験を持つ一級建築士、福山弘氏は審査員特別賞を授与したAQチーム匠と「暁~あかつき~」について「テーパーカットで桁が折れるのを防いでいるが、これを思いついたのが直前だと聞いた。最後まで根詰めて取り組んでいる姿勢に感心した」とコメントしました。


カベワングランプリは1998年から始まった「木造耐力壁ジャパンカップ」を前身としており、今年で29年の歴史を持つ大会です。1995年の阪神淡路大震災後、「木造は弱い」という風潮が強くなりました。大会発起人である東京大学名誉教授の稲山正弘氏は、社会が抱く木造建築に対する認識の是正とともに、木造耐震技術の開発促進、技術者の育成などをミッションに掲げ、大会をスタート。大会を通じて得られる耐力数値や破壊性状などの実践的なデータは、そのまま木造建築技術の進歩に活かされています。また、大会レギュレーションも毎回変更が加えられています。昨年は社会実装を意識し、開口部を設けるというルールが追加されました。今年は耐力確保のために多用されていた120mmを超えるロングビスの使用を禁止とし、出場者へはよりシビアな条件での耐力壁開発を促しています。
「より強く、より速く、より安く、より美しい」耐力壁の木造技術を競うことで、優れた耐力壁の実用化をバックアップするカベワングランプリ。例えば、岐阜県産スギ材を面格子耐力壁や樹状立体トラスとして活用した専修学校施設である岐阜県立森林文化アカデミーは、木造耐力壁ジャパンカップ初年度に稲山氏が開発したもので、そのほかにも多くの耐力壁がこの大会から実用化されています。
カベワングランプリで培った技術を社会へ
純木造マンションや浅草ホテルに「組子格子耐力壁」採用


弊社は木造耐力壁ジャパンカップ時代の黎明期から出場。総合優勝7回、トーナメント優勝9回、2023年には大会レコードとなる「71.2kN(普通自動車1.5トン約5台分の力)」を記録し、今もなお破られていません。カベワングランプリに出場し、結果を残すことで木造建築の技術を高めてきた弊社は、戸建て住宅や中大規模木造建築にそのノウハウを展開。純木造8階建て本社ビル(埼玉県さいたま市)や純木造5階建てオフィスビル(神奈川県川崎市)に採用されている「組子格子耐力壁」、「相欠き合わせ柱式ラーメン構造」といった革新的な構造技術は、カベワングランプリから着想を得て誕生したものです。
組子格子耐力壁に関しては、今後も社会実装が予定されています。2027年5月完成予定の純木造マンション「AQフォレスト石神井公園(東京都練馬区)」では、一般生活者が利用する建築物として初採用。また、世界的建築家である藤本壮介氏が意匠設計を担当する「浅草ホテルプロジェクト(2028年開業予定:東京都台東区)」は、全ての客室にも「組子格子耐力壁」が使われる予定です。藤本氏は今年3月に弊社の本社ビルを見学し「これからの木造都市の可能性を強く感じた。特に、組子格子耐力壁の構造とデザインが一体となっている点は非常に興味深い」と語りました。

浅草ホテルプロジェクトに採用予定の「組子格子耐力壁」は現在、実装可能なスリム化と高耐力を両立させるため、開発実験の真っ只中にいます。弊社はカベワングランプリの出場に留まらず、いかに社会に実装していくかを検証。今回出場した、スリムな斜材で高耐力を実現させた「暁~あかつき~」はまさに、浅草ホテルプロジェクト成功への布石とも言えます。
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