中東・北アフリカで拡大するライブ配信市場、2030年に178億ドルへ【A.T. カーニー】
中東・北アフリカで拡大するライブ配信市場、2030年に178億ドルへ【A.T. カーニー】 A.T. カーニー株式会社のプレスリリース
A.T. カーニー株式会社がPR TIMESで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

A.T. カーニー株式会社(東京都港区、日本代表:針ヶ谷 武文)は、中東・北アフリカ地域を対象に、エンターテインメント分野のライブ配信がもたらす市場機会と経済的価値、ならびに各国の成長戦略を分析した論考『ライブ配信がもたらすエンターテインメント革命』(英題:The livestreaming entertainment revolution: What’s at stake?)を公開しました。
世界のエンターテインメント分野のライブ配信市場は、2024年の1,080億ドルから、年平均成長率(CAGR)21%で成長し、2030年には約3,400億ドルに達する見通しです。なかでも中東・北アフリカ市場は、デジタル活用の進展、クリエイターネットワークの拡大、視聴者参加の増加を背景に、2024年の81億ドルから2030年には178億ドルへ拡大すると予測されます。この成長を持続的な経済的、社会的価値につなげるには、クリエイターの育成と専門性向上や制作インフラの整備、適切なガバナンスを一体で進める必要があります。
中東・北アフリカ市場は2030年に178億ドル、エジプトは年平均22%で成長
中東・北アフリカ地域のライブ配信市場は、2024年から2030年にかけて約2.2倍に拡大する見通しです。主要3カ国では、それぞれ異なる成長軌道が見込まれています。
— サウジアラビア: 2024年の15億ドルから2030年には32億ドルへ拡大し、年平均成長率(CAGR)は13%となる見通しです。
— アラブ首長国連邦(UAE): 2024年の19億ドルから2030年には34億ドルへ拡大し、年平均成長率(CAGR)は10%となる見通しです。
— エジプト: 2024年の10億ドルから2030年には34億ドルへ拡大し、域内でも特に高い年平均成長率(CAGR)22%が見込まれています。
市場拡大を支えているのは、リアルタイム性、双方向性、クリエイター主導の制作というライブ配信の特性です。これらの要素が、従来型メディアでは獲得しにくい参加型の体験を生み、コンテンツの制作、消費、収益化のあり方そのものを変えつつあります。

約1,000万人のクリエイター、週1回以上視聴する人は約4,000万人――経済効果は雇用にも波及
中東・北アフリカ地域には約1,000万人のライブ配信クリエイターが存在しており、その約60%が少なくとも月1回は配信し、週1回以上ライブ配信を視聴する人は、約4,000万人に上ります。ライブ配信の普及率は中東・北アフリカ地域全体で平均20%、UAEでは最大35%に達する一方、世界には71%に達する国もあり、同地域にはなお成長余地があります。
クリエイターを支えるエージェンシーは同地域に700社以上ありますが、毎日配信を行うクリエイターのうち、エージェンシーに所属する割合は約10%にとどまります。中国ではその割合が約80%に達しており、中東・北アフリカ地域では、研修、制作ツール、インフラ、コンテンツ最適化などを提供するエージェンシーの活用を広げ、産業全体の専門性を高める余地が大きいと考えられます。
本論考は、現状の延長線上で市場が成長する「緩やかな成長シナリオ」と、クリエイターの能力やコンテンツ品質の向上、業界の専門化、支援政策、エージェンシーの拡充などに取り組み、ライブ配信の普及率が成熟市場並みの70%に達する「潜在力最大化シナリオ」を示しています。潜在力最大化シナリオにおける2030年のGDP効果と財政寄与の合計、およびフルタイム換算の雇用創出効果は、次のとおりです。
— サウジアラビア: GDP効果と財政寄与の合計108億ドル、雇用創出効果18万4,000人相当
— UAE: GDP効果と財政寄与の合計66億ドル、雇用創出効果15万8,000人相当
— エジプト: GDP効果と財政寄与の合計83億ドル、雇用創出効果32万5,000人相当
これらはいずれも確定的な予測ではなく、人材育成、制度整備、産業基盤の強化が進んだ場合のシナリオです。ライブ配信は、クリエイターやプラットフォーム、エージェンシーの直接的な活動だけでなく、制作サービス、テクノロジー、物流、広告、販売などの周辺産業にも需要と雇用をもたらします。

成長を取り込むには、ガバナンス整備と国ごとの戦略選択が必要
市場の拡大とともに、コンテンツモデレーション、金融取引の透明性、若年層の保護、知的財産の保護という課題への対応も欠かせません。本論考は、AIと人によるモデレーション、本人確認(KYC)と取引監視、年齢制限やペアレンタルコントロール、自動コンテンツ検知など、各市場ですでに導入されている手法を組み合わせ、イノベーションと安全性を両立させる必要性を示しています。
さらに、各国には、国内視聴者の支出と国内に残る収益の構造を踏まえた戦略が求められます。サウジアラビアとUAEでは、視聴者による支出と国内プレーヤーが得る収益の比率が約1.4~1.5で、支出の相当部分が国外のクリエイターを支えています。一方、エジプトでは同じ比率が約0.2で、国内クリエイターの収益の多くが海外の視聴者からもたらされており、コンテンツ制作国としての強みを示しています。
本論考は、各国が自国の特性に応じて二つの方向性を検討できるとしています。一つは、クリエイターとプラットフォームを呼び込み、制作・配信機能を国内に集積し、生み出された価値を自国内にとどめる「ハブ戦略」です。もう一つは、クリエイターの創造力を生かして海外視聴者から収益を獲得する「プロデューサー戦略」です。政府には、プラットフォームとの継続的な対話、制作施設や配信ツールへの投資、研修制度、助成や税制上の支援などを通じ、民間の成長を後押しする役割が期待されます。
論考について
論考名:『ライブ配信がもたらすエンターテインメント革命』(英題:The livestreaming entertainment revolution: What’s at stake?)
本論考は、TikTokとの協働により作成されました。
監修者
松岡 洋平 シニアパートナー
京都大学教育学部卒。多様な事業立ち上げ経験および15年以上にわたるマーケティング経験と金融・暗号資産/ブロックチェーン/web3/AIの融合が強みであり、メディア・エンターテイメント業界を中心に、web3戦略、新規事業戦略、DXなどを支援。
米戦略ファーム、ネット生保立ち上げ、米アパレル日本法人副社長、ユニコーンスタートアップ、上場企業におけるサッカークラブや出版社のM&AおよびPMI、最大手SNS企業における暗号資産×フィンテックプロジェクト、デジタル庁におけるマイナンバーのマーケティング担当等を経てA.T. カーニーに入社。web3スタートアップにも籍を置き、上場企業の社外取締役も務めている。
A.T. カーニーについて
A.T. カーニー(グローバル・ブランド名:Kearney)は、100年にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして、Fortune Global 500企業の4分の3以上をはじめ、世界各国の政府機関に信頼されるパートナーであり続けてきました。世界40カ国以上に拠点を展開し、私たちの最大の強みは「人」にあります。インパクト・ファーストを掲げ、独創的な発想と実行力をもって、顧客企業が直面する最も困難な課題に挑み、変革の実現をともに推進します。日本には1972年に進出し、主要産業のリーディングカンパニーに、戦略策定から変革の実行まで一貫した支援を提供しています。 https://www.jp.kearney.com/
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- 配信元
- A.T. カーニー株式会社(Zero Press 掲載 25 本)
- 配信サイト
- PR TIMES
- カテゴリ
- 調査・レポート
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