人前で話すのが苦手な人へ|「上手く話す」より大切なこととは? 「伝わる話し方」の本質
人前での話し方で最も大切なのは「上手く話すこと」ではなく「相手に何を届けるか」という目的の明確化です。自分に向いた意識を相手に向けることで、緊張が軽減され、伝わる話し方が実現します。
株式会社脳レボが@Pressで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

「人前に立つと緊張してしまう」
「頭では分かっているのに、上手く話せない」
「プレゼンになると、つい早口になってしまう」
仕事でのプレゼンテーション、会議での発言、朝礼、講演、結婚式のスピーチなど、私たちは日常のさまざまな場面で「人前で話す」機会があります。
そんなとき、多くの人が「もっと上手に話さなければ」「流暢に話さなければ」と考えます。
しかし、脳レボ代表・川谷潤太が伝える「人前で上手く話すためのポイント」は、少し意外なものです。
「上手く話そう」とするほど、実は伝わらなくなることがある。
では、何を意識すればいいのでしょうか。
以前、友人の結婚式に参列した際、友人代表としてスピーチをする女性がいました。
ところが、スピーチを前にして、どこか落ち着かない様子。
「どうしたの?」と声をかけると、
「もう心配で心配で……。みんながちゃんと聞いてくれなかったらどうしようとか、上手く話せるかどうかが心配なんです」
と話してくれました。
そこで川谷は、こんな質問をしました。
「誰に、この話を伝えたいの?」
彼女はすぐに、
「もちろん新郎新婦です!」
と答えました。
そこで、
「だったら、新郎新婦が喜んでくれるように、気持ちを込めて伝えてみて」
と伝えたところ、彼女はその後、堂々とスピーチを終えました。
会場は大きな拍手に包まれたそうです。
この女性がスピーチ前に考えていたのは、
「上手く話せるかな?」
「みんな聞いてくれるかな?」
ということでした。
つまり、意識が「自分」に向いていたのです。
しかし、スピーチの本来の目的は、自分が上手く話すことではありません。
新郎新婦に、お祝いの気持ちを届けること。
ここに気づいたことで、意識が「自分」から「相手」へと変わりました。
すると、必要以上に「上手く話さなければ」というプレッシャーを抱える必要がなくなります。
これは、結婚式のスピーチだけに限った話ではありません。
例えば、会社で新商品のプレゼンをするとします。
説得力のある数字を用意する。
見栄えの良い資料を作る。
話す内容を何度も練習する。
もちろん、こうした準備は大切です。
しかし、それだけでは「伝わるプレゼン」になるとは限りません。
重要なのは、
「何のためにプレゼンをするのか?」
「誰に、何を伝えたいのか?」
「相手にどうなってほしいのか?」
という目的を明確にすることです。
例えば、自分の昇進や評価を意識しすぎてしまうと、「自分がどう見られるか」に意識が向きます。
一方で、
「この商品によって、相手のどんな課題を解決できるのか?」
「相手にとって、どんなメリットがあるのか?」
と考えると、伝えるべき内容は自然と変わってきます。
これは採用活動にも当てはまります。
企業の人事担当者が学生に会社の魅力を伝えるとき、
「自社はこんなに素晴らしい会社です」
「こんな制度があります」
「働きやすい環境があります」
と、自社の魅力を一方的に伝えるだけでは、必ずしも学生の心には響きません。
なぜなら、学生が求めている情報とズレている可能性があるからです。
学生が知りたいのは、
「この会社で成長できるのか?」
「どんな仕事ができるのか?」
「どんな人たちと働くのか?」
「自分のやりたいことが実現できるのか?」
など、自分自身に関係することかもしれません。
つまり、
「何を話すか」よりも「相手が何を求めているか」を考えること。
これが「伝わる話し方」の大切なポイントになります。
「人前で話すのが苦手」
「プレゼンで緊張してしまう」
という人は、話し始める前に、まず次の2つを考えてみてください。
自分が評価されるためなのか。
相手に情報を届けるためなのか。
相手を喜ばせるためなのか。
相手の悩みを解決するためなのか。
まず、「誰に伝えたいのか」を明確にします。
「とにかく上手く話す」ことが目的になっていないでしょうか。
話す目的が明確になれば、伝えるべき内容も変わってきます。
そして、この2つが明確になると、
「上手く話さなければ」から「相手に届けよう」へ。
意識を切り替えることができます。
人前で話すとき、つい「流暢に話すこと」が正解だと思ってしまいます。
しかし、どれだけ話し方が上手でも、相手が求めていることとズレていれば、なかなか伝わりません。
逆に、多少言葉に詰まったとしても、
「この人に伝えたい」
「この人の役に立ちたい」
という思いが明確であれば、その言葉は相手に届きやすくなります。
大切なのは、自分がどう話すかではなく、相手に何を届けるか。
人前で話すことに苦手意識がある人ほど、まずは「話し方」ではなく「目的」に目を向けてみてはいかがでしょうか。
「誰のために?」
「何のために?」
この2つを明確にすることが、「伝わる話し方」への第一歩になるかもしれません。
株式会社脳レボでは、企業・学校・スポーツチームなどを対象に、講演・研修・セミナーや人材育成コンサルティングなどを行っています。
「能力を最大限に発揮できる人・組織をつくる」という視点から、脳の使い方やメンタル、コミュニケーションなどについて、さまざまなテーマで情報を発信しています。
今後も川谷潤太のコラムを通じて、仕事や教育、スポーツ、日常生活に活かせる「脳の使い方」をお届けしてまいります。
監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ 代表取締役
大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。
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- 株式会社脳レボ(Zero Press 掲載 13 本)
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