書き方の基本

プレスリリースのタイトルの付け方。読まれるかはここで決まる

メールの件名としても使われるタイトルを、30〜40字でどう組み立てるか。良い例と悪い例を並べて、避けるべき表現まで具体的に説明します。

プレスリリースの書き方を表したデスク上のイラスト

記者の受信トレイには、1日に何十通ものプレスリリースが並びます。開くかどうかは件名——つまりタイトルで決まります。本文をどれだけ丁寧に書いても、タイトルで止められればゼロです。ここに一番時間をかける価値があります。

30〜40字に収める

メールの件名は、環境によっては30字前後で切れて表示されます。長いタイトルは後半が見えません。40字を超えたら、削れる語がないか探してください。

削る候補は決まっています。「株式会社」「〜のお知らせ」「この度」「〜いたしました」——敬語と定型句は情報を運びません。

  • 修正前(52字): 株式会社サンプルは、この度、中小企業向けの新しい勤怠管理サービスの提供を開始いたしましたのでお知らせいたします
  • 修正後(38字): 中小企業向け勤怠管理サービスを提供開始。月次集計を3時間から15分に短縮

字数が減っただけでなく、「3時間→15分」という情報が入りました。

「何を」と「どうなるか」を入れる

良いタイトルには、対象と変化が入っています。

  • 何を: 商品名、サービス名、イベント名など具体的な対象
  • どうなるか: 数字で表せる変化、または新しさ

どちらか一方しかないタイトルは弱くなります。「新サービスを開始」は何をするのか分からず、「作業時間を95%削減」は何の話か分かりません。両方を組み合わせてください。

情報を整理してプレスリリースを完成させる流れのイラスト

数字を入れる

数字はタイトルの中で最も強く働きます。読み手が具体的に想像できるからです。

数字なし数字あり
大幅な時間短縮を実現月次集計を3時間から15分に短縮
多くの企業が導入導入企業が1,000社を突破
手頃な価格で提供月額980円で提供開始
大規模なイベントを開催3日間で50社が登壇するイベントを開催

数字が本当にない場合は、日付を入れるだけでも具体性が出ます。「9月1日提供開始」は立派な事実です。

避けたい表現

次の言葉は、根拠を示せないなら使わないでください。記者は評価語を読み飛ばします。

  • 画期的、革新的、次世代の、まったく新しい——何が新しいのか説明されていない
  • 業界初、日本初、世界初——調査範囲と時点を注記できる場合のみ。根拠なしに使うと信頼を失います
  • 〜のお知らせ、〜について——情報量がゼロ。この5字を削って内容を書いたほうがよい
  • !(感嘆符)——広告の文体に見え、報道向けの文書として扱われにくくなります

型として使える4パターン

迷ったら次のどれかに当てはめてください。

1. 変化型: 「[対象]を[前の状態]から[後の状態]に」
例: 申請手続きを3日から当日に短縮
2. 開始型: 「[日付]、[対象]の[何]を開始」
例: 9月1日、飲食店向け予約管理サービスを提供開始
3. 達成型: 「[指標]が[数字]を突破/達成」
例: 導入企業が1,000社を突破
4. 開催型: 「[日時]に[場所]で[イベント名]を開催」
例: 10月5日に東京・板橋で中小企業向けDXセミナーを開催

前半に重要語を置く

件名が途中で切れることを前提に、最初の15字に核心を置きます。会社名を先頭に置くと、そこで文字数を使い切ってしまうことがあります。会社名は本文の冒頭に入れれば十分です。

  • 前半が弱い: 株式会社サンプルによる新サービス提供開始のご案内
  • 前半が強い: 勤怠の月次集計を15分に短縮する新サービス、9月1日開始

最後に声に出して読む

タイトルができたら、口に出して読んでみてください。読みにくい、息が続かない、意味が取りにくいと感じたら、そこが直すべき場所です。記者も頭の中で同じことをしています。

タイトルが決まったら、次はリード文の書き方です。タイトルを150字に展開する要領で書きます。

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