店の内装を頼むとき、決まっていないと話が進まないこと
店を出そうと決めて、物件を見て、内装の相談をしようとしたところで話が止まる。よくあることです。内装の会社に電話をしても、聞かれることに答えられないと、見積もりの段階まで進めません。
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店を出そうと決めて、物件を見て、内装の相談をしようとしたところで話が止まる。よくあることです。内装の会社に電話をしても、聞かれることに答えられないと、見積もりの段階まで進めません。
聞かれるのは、たいてい同じことです。どのくらいの広さか、何の店か、席はいくつ必要か、いつ開けたいか。この四つが決まっていないと、図面も金額も出てきません。逆に言えば、この四つを持って相談に行けば、初回から具体的な話ができます。
この記事では、内装工事を頼む前に決めておくこと、物件の条件で決まってしまう部分、図面と見積書の読み方、工期と家賃の関係を順番に整理します。
内装の相談は、決まっていないと止まる
広さは、契約前の物件でも図面や現地の採寸で分かります。何平方メートルか、何坪か。天井の高さも控えておきます。同じ面積でも、天井が高いと照明も空調も変わってきます。
業態は、内装の中身をほぼ決めてしまいます。飲食なら厨房と客席の割合、美容なら鏡とシャンプー台の数と配管、物販なら什器と在庫の置き場。同じ「二十坪の店」でも、必要な設備はまったく違います。
席数や客数の想定は、単なる希望ではなく、動線と面積の制約から出てくる数字です。希望を伝えたうえで、この面積なら現実的にいくつかを相談します。ここで無理をすると、通路が狭くなって使いにくい店になります。
予算の上限も、言える範囲で伝えておきます。金額を言うと足元を見られると考える人もいますが、上限が分からないと、提案の方向が定まりません。内装は仕様の幅が広いので、同じ広さでも金額は何倍にもなります。「この範囲で、どこまでできるか」という聞き方の方が、現実的な提案が返ってきます。
そして、いつ開けたいか。ここが決まると、逆算して図面の期限、発注の期限、工事の期間が決まります。店舗の内装を手がける施工店にまとめて見積もりを頼めるサービスのように複数の内装業者へ同じ条件で相談できる窓口を使うと、この四つを一度入力するだけで各社に同じ前提が伝わります。
スケルトンと居抜きで、話の順番が変わる
内装が何もない状態で借りるのがスケルトンです。自由に作れる反面、電気、給排水、換気、内装のすべてを一からつくることになり、費用も工期もかかります。図面を引く段階から相談することになります。
居抜きは、前の店の設備や内装が残っている状態です。使えるものが多ければ費用は抑えられます。ただし「残っている」ことと「使える」ことは別です。古い設備は動くのか、保証はあるのか、修理の部品は手に入るのか。
残置物の扱いも確認します。前の借主の持ち物なのか、貸主のものなのか、処分の費用は誰が負担するのか。契約書に書かれていることが多いので、内装の相談の前に読んでおきます。
前の店と業態が違う場合、使えると思っていた部分が使えないことがあります。厨房の位置、換気の経路、電気の容量。図面を持って現地を見てもらうと、この判断が早く付きます。
居抜きで借りる場合、内装の相談は物件を決める前に始める方が有利です。「この物件なら、いくらぐらいで自分の店にできるか」が分かってから契約できるためです。気に入った物件が出てから慌てて相談すると、判断の時間が足りなくなります。

先に確認する設備の条件
電気の容量は、物件の条件で決まっています。厨房機器や美容機器を入れる場合、必要な容量が足りているかを先に確かめます。増やせるかどうかは建物の状況によるため、入居してから分かると計画が崩れます。
給排水は、位置が動かせるかどうかが問題になります。床下に排水の経路が取れるか、勾配が付けられるか。厨房やシャンプー台を希望の位置に置けるかは、ここで決まります。
換気とダクトも同じです。特に飲食では、排気をどこへ出すかが建物の構造と規約で制限されます。上の階や隣の店との関係もあるため、貸主や管理会社への確認が要ります。
ガスの引き込み、給湯の方式、空調の能力。どれも、あとから変えると大きな工事になります。契約の前に、内装の会社と一緒に現地を見てもらう時間を取れると、判断の材料がそろいます。
建物の規約も条件になります。工事ができる曜日と時間帯、搬入に使えるエレベーター、共用部の養生の決まり、騒音や振動をともなう作業の制限。商業ビルでは、これらが工期そのものに影響します。管理会社に確認したうえで、工事の会社にも伝えておきます。

図面と見積書はセットで見る
見積書だけを見ても、何が含まれているのかは分かりません。図面と照らして初めて、どの部分の工事なのかが見えてきます。平面図、什器の図、電気の配線図。この三つがそろっているかを確認します。
什器は、造作するのか、既製品を買うのか、施主が支給するのかで扱いが変わります。見積書に「支給品」と書かれていれば、それは自分で手配するものです。この区分を間違えると、開店の直前に足りないものが出てきます。
看板やサインは、別の会社が担当することもあります。誰がどこまでやるのか、取り付けの下地は内装側で用意するのか。境目の部分は、あとで「聞いていない」となりやすい部分です。
追加工事の条件も先に確認します。解体してみたら想定と違った、という場面は起こります。そのときどう決めるのか、いくらまでなら連絡なしで進めてよいのか。理想の店舗内装を予算内で!「店舗内装比較net」のように複数社の見積もりを取って並べると、この書き方の違いが目に付きます。
工期と家賃は重なる
物件の契約日から、家賃は発生し始めます。工事をしている間も、開店の準備をしている間も同じです。だから、契約から開店までの日数がそのまま費用になります。
工期は、内装の内容だけでなく、届出や検査、機器の納期にも左右されます。特注の什器や輸入の機器は、発注から届くまでに時間がかかります。図面が決まる時期を後ろにずらすと、その分だけ全体が押します。
フリーレントが付いている物件なら、その期間内に工事を終えられるかを考えます。付いていない場合は、契約日をいつにするかの交渉も選択肢に入ります。
そして、開店の前にやることがまだあります。届出、検査、スタッフの研修、仕入れ、練習の営業。工事の完了日と開店日を同じにしないで、間を空けた計画にしておきます。
工事が遅れる可能性も、あらかじめ見込んでおきます。機器の納期がずれる、検査の日程が取れない、追加の工事が出る。開店の告知を早く出しすぎると、日程を動かせなくなります。確実になってから知らせる方が、結果として動きやすくなります。
見積もりを比べるときに見るところ
数量と単価が書かれているかを見ます。床の面積、壁の面積、什器の本数。一式でまとまっている項目が多いと、他社と比べる手がかりがありません。
支給品と工事の区分も確認します。何を自分で買い、何を工事に含むのか。厨房機器、家具、照明器具、レジまわり。ここが会社ごとに違うと、総額の比較になりません。
解体と処分の範囲、養生、廃材の扱い、駐車や搬入の条件も項目に出てきます。ビルの中の店舗では、共用部の養生や作業できる時間帯の制限が費用に影響します。
保証とアフターも見ます。工事後に不具合が出たとき、どこに連絡して、どこまでが対象なのか。開店してからのやり取りになるため、連絡の窓口が決まっているかは大事です。
よくある質問
費用の目安はどのくらいですか。坪数、業態、物件の状態で大きく変わるため、金額を挙げることはできません。図面と条件をそろえて複数社から見積もりを取ります。
設計だけ頼めますか。設計と施工を分ける方法もあります。ただし窓口が増えるため、責任の範囲を契約で明確にしておきます。
営業しながら改装できますか。部分的な改装なら、夜間や定休日に分けて行う方法があります。工期は延びますが、休業の損失は抑えられます。
原状回復はどうなりますか。退去のときに元の状態へ戻す条件が契約に書かれています。造作を残せるかどうかも含めて、入る前に確認します。
什器は自分で買ってもよいですか。可能です。ただし搬入の時期と設置の担当を決めておかないと、工事の日程と噛み合わなくなります。
届出は何が要りますか。業態と自治体によって異なります。消防や保健所に関わる手続きは、図面の段階で確認しておくと後戻りが減ります。
複数の会社に相談してもよいですか。工事の規模を考えれば一般的な進め方です。ただし各社に渡す条件は同じにします。広さ、業態、席数、予算、開けたい時期。前提が違うと、出てきた金額を比べられません。
図面だけもらって別の会社に頼めますか。設計に費用がかかっている場合、図面の扱いは契約によります。無料の提案として出されたものでも、そのまま他社へ渡すのは避け、事前に確認します。
まとめ
広さ、業態、席数、開けたい時期。この四つが決まると、内装の相談は前に進みます。
電気の容量、給排水、換気は物件の条件で決まる部分です。契約の前に確認できると、あとの計画が崩れにくくなります。
見積書は図面と一緒に読み、支給品と工事の区分をそろえてから比べます。開業まわりでは、教室を開いて人を集める方法をまとめた https://zero-press.net/columns/kyoushitsu-hiraku-shukyaku と、店で支払いを受ける仕組みを整理した https://zero-press.net/columns/mise-shiharai-ukeru も参考になります。







