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備蓄は特別な食料でなくていい。ふだん食べながら備える回し方

数年前に買った非常食が、押し入れの奥から出てきた。期限はとうに過ぎている。捨てて、また同じものを買い直す。この繰り返しに心当たりがある人は多いはずです。

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数年前に買った非常食が、押し入れの奥から出てきた。期限はとうに過ぎている。捨てて、また同じものを買い直す。この繰り返しに心当たりがある人は多いはずです。

備蓄が続かないのは意志の問題ではありません。ふだんの生活から切り離された場所に置くから、忘れるだけです。

この記事では、量の決め方、水や熱源が限られるときに食べられるもの、買い足しながら消費する回し方、日々の宅配を備えに組み込む方法、そして備えを人に贈るという選択を扱います。

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備蓄が続かない理由

備蓄の失敗にはいくつかの型があります。

一つめは、特別なものを買って特別な場所にしまう型。日常の動線から外れた場所に置くと、存在ごと忘れます。

二つめは、一度に大量に買う型。同じ時期にまとめて買うと、期限も同じ時期に一斉に来ます。気づいたときには全部が過ぎています。

三つめは、家族の好みを考えずに買う型。いざというときに食べられないものが並んでいると、備えとして機能しません。

四つめは、点検の予定を決めない型。仕組みがないまま「気が向いたら見る」にすると、見ません。

これらを裏返すと、続く形が見えてきます。ふだん食べるものを混ぜ、少しずつ買い足し、家族が食べられるものを選び、点検の日を決める。

この考え方は、回しながら備えるという意味で呼ばれることがあります。難しい技術ではなく、置き方と買い方の工夫です。

もう一つ、置き場所を一か所に集めない工夫も効きます。台所、寝室の収納、車の中。分散しておけば、一か所が使えなくなっても手が届きます。

日数と量の決め方

何日分を備えるかは、家庭の事情によって変わります。一般には数日から一週間程度を目安として示されることが多いですが、自宅で過ごす前提かどうかで必要な量が変わります。

まず人数を数えます。同居する家族の人数に加えて、帰宅できない人が滞在する可能性も考えておくと安心です。

次に、水と食事を分けて数えます。飲み水だけでなく、調理や衛生に使う分も要ります。飲む分と使う分は別に見積もってください。

食事は、一日あたりの回数から逆算します。三食を三日分なら九回分。ここに、食べ慣れたものと、火を使わずに食べられるものを混ぜます。

赤ちゃんや高齢の家族、食物アレルギーのある人がいる場合は、その人の分を別に確保してください。共通のものでまかなえない部分は、専用に用意する必要があります。

薬を常用している人がいるなら、備蓄の対象に含めます。ただし処方の内容によるため、かかりつけの医療機関に相談してください。

棚に並ぶ缶詰と乾物

湯や水が限られるときの主食

停電や断水を想定すると、調理の方法が限られます。ここで頼りになるのが、湯でも水でも戻せる主食です。

乾燥させた米に湯を注いで戻す形の食品は、水でも時間をかければ食べられるものがあります。湯なら短時間、水なら長めという違いです。

お湯や水で戻せる主食を扱うオンラインショップは、こうした長期保存の主食を扱うオンラインショップです。国産の米を使い、食物アレルギーに配慮した設計であることや、五年以上の保存が可能な商品があることが案内されています。種類や保存期間は商品によって違うため、購入前に公式サイトで確認してください。

器と道具も一緒に考えてください。袋のまま食べられるものなら、洗い物が出ません。断水しているときに皿を洗えないと、そこで詰まります。

ラップや使い捨ての食器を数枚用意しておくと、皿を汚さずに使えます。かさばらないので、備蓄の箱に入れておいてください。

熱源については、屋内で安全に使えるものを選びます。換気の必要なものは、使い方を家族で共有しておいてください。

味も確認しておきましょう。実際に一度食べてみると、量の感覚と好みが分かります。この試食が、次の項の回し方につながります。

副菜も一緒に考えてください。主食だけだと食べ続けるのがつらくなります。缶詰の魚や豆、乾燥した汁物、日持ちする漬物。何か一品あるだけで、食事らしくなります。

甘いものも入れておくと役に立ちます。羊羹やビスケットのように常温で長く置けるものは、気持ちの面でも効きます。子どもがいる家庭では特に、慣れた味があると落ち着きます。

食べながら回すという方法

回して備える形は、手順にすると三つです。

一つめ、棚の手前から使う。買ってきたものは奥に入れ、手前から取る。これだけで自然に古いものから消費されます。

二つめ、買い物のついでに一つ足す。まとめ買いをやめて、週に一つ、月に二つ。量は少なくても、続けば在庫は保たれます。

三つめ、点検の日を決める。月初、月末、給料日。何でもよいので固定します。この日に期限の近いものを手前に出し、足りないものを買い物のメモに入れます。

置き場所は、押し入れの奥ではなく台所の近くが向いています。使うたびに目に入る場所なら、忘れません。

すべてを備蓄用の商品でそろえる必要もありません。乾麺、缶詰、レトルト、常温で置ける飲料。ふだん食べているもので長く置けるものを、少し多めに買うだけで備えになります。

備蓄と電源をあわせた全体の考え方は、こちらの記事で扱っています。https://zero-press.net/columns/bousai-bichiku-denryoku

一人暮らしの場合は、量が少ないぶん回しやすい面があります。置ける面積から逆算して、無理のない量に絞ってください。考え方はこちらの記事にまとめています。https://zero-press.net/columns/hitorigurashi-bousai

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日々の宅配を備えとして使う

在庫が切れにくくする方法として、定期的に食料が届く仕組みを使うという手があります。

週に一度、決まった曜日に届く形なら、買い忘れが起きにくくなります。重いものやかさばるものを運ばずに済むのも利点です。

宅配生協の資料請求は、地域の宅配生協の資料請求です。生鮮品から惣菜、冷凍食品、日用品まで扱い、玄関先まで届ける形が案内されています。配達の対象となる地域が定められているため、自分の住む場所が含まれるかを確認してください。

地域ごとに運営する団体が異なるため、内容や料金も地域によって変わります。まず資料を取り寄せて、扱う品目と配達の条件を確認するところから始めるのが確実です。

宅配を使う場合も、回す考え方は同じです。届いたものを奥に入れ、手前から使う。冷凍庫の中も、同じ運用で整理できます。

ただし、災害時には配達そのものが止まります。宅配は在庫を切らさないための仕組みであって、非常時の供給手段ではありません。この点は分けて考えてください。

家族の台所の食品棚

備えを贈るという選択

自分の家の備えができたら、離れて暮らす家族に勧めたくなることがあります。

ただ、押しつけると続きません。相手が必要と感じていない段階で品物を送っても、置かれたままになります。

選んでもらう形にすると、受け取る側の負担が減ります。掲載された品物の中から自分で選ぶ仕組みなら、好みや住まいの事情に合ったものが届きます。

防災の品を集めたカタログから選んでもらう形の贈り物もあります。備蓄食に絞ったものと、道具まで含むものがあり、価格帯が分かれています。内容は改定されることがあるため、購入前に公式サイトで確認してください。

贈るときは、目的を一言添えてください。「防災用に」と伝えるだけで、受け取る側が置き場所を考えるきっかけになります。

引っ越しや新生活の節目に贈るのも、受け入れられやすいタイミングです。持ち物を見直す時期なので、備えを組み込みやすくなります。

自分の家でも同じで、季節の変わり目や年度の切り替えに点検日を合わせると忘れません。時計の電池を替える日、火災報知器を確認する日。すでにある習慣にくっつけるのが確実です。

よくある質問

何日分を備えればよいですか

一般には数日から一週間程度を目安とする案内が多いですが、家族の人数や住まいの事情によります。自治体の案内も確認してください。

水はどれだけ要りますか

飲む分と調理や衛生に使う分は別に見積もってください。人数と日数から計算します。

アレルギーがある場合はどうしますか

原材料の表示を確認し、対応した商品を別に確保してください。共通の備蓄でまかなおうとしないほうが安全です。

子どもや高齢の家族がいる場合は

食べやすさが変わります。やわらかいもの、味の濃さ、量の調整。ふだん食べているものに近いものを選んでください。

期限が切れたものはどうしますか

食べられるうちに消費するのが前提です。切らさないために、点検の日を決めて手前から使ってください。

保管場所はどこがよいですか

台所の近くなど、日常の動線上が向いています。分散させておくと、一か所が使えなくなっても対応できます。

まとめ

備蓄は、日数と人数から量を決めるところから始めてください。水と食事は別に数えます。

そのうえで、ふだん食べるものを混ぜ、手前から使い、少しずつ買い足す。点検の日を固定すれば、期限切れはほとんど起きません。

湯や水が限られる状況を想定して、戻して食べられる主食と、洗い物の出ない工夫を用意しておく。価格や内容は変わるため、購入の前に公式サイトで確認してください。

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