COLUMN

一人暮らしの防災グッズ|最低限そろえる備えと収納しやすい防災セット

ワンルーム・1Kの一人暮らしで最低限そろえたい防災グッズを、水・食べ物・明かり・情報の4つの柱で整理。持ち出し用と在宅避難用の分け方、玄関やベッド下を使った収納の工夫、既製の防災セットを使う場合の考え方までまとめました。

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一人暮らしの部屋で防災の話をすると、たいてい最初に出てくるのは「置き場所がない」です。ワンルームや1Kは収納が限られていて、大きな防災リュックを用意したところで、どこに置けばいいのか思い浮かばない。そうしているうちに、防災は「そのうちやること」の欄へ移っていきます。

けれど単身の暮らしには、単身ならではの事情があります。家族と同居していれば誰かが備えているかもしれませんが、一人暮らしでは備えの有無がそのまま自分の状況になります。停電したときに明かりを探すのも、断水したときに水を用意するのも、自分ひとりです。

この記事では、ワンルーム・1Kという住環境を前提に、最低限そろえたいものと、狭い部屋でも置ける収納の考え方を整理します。今日から動ける順番を優先してまとめました。

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一人暮らしの防災が後回しになりやすい理由

一つ目は、置き場所です。一人暮らしの部屋は、クローゼットも押し入れも衣類と季節家電でふさがっていることが多く、防災用品のために空けられる面積がそもそも少ない。買っても置けないという予感があると、購入の手前で止まります。

二つ目は、何を買えばいいのか分からないことです。防災用品と検索すると、水も食料も照明も衛生用品も出てきて、どれを何個買えばよいのかの基準が見えません。基準がないと比較ができず、比較ができないと決められない。ここで一度離脱すると、次に検索するのは何か月も先になりがちです。

三つ目は、自分ひとりだから何とかなる、という感覚です。身軽なのは確かですが、体調を崩したときや連絡が取れなくなったとき、代わりに動いてくれる人が同じ部屋にいません。備えの薄さがそのまま自分に返ってくるのが単身世帯です。

この三つは、順番に解けます。何を買うかの基準を決め、置き方を決め、そのうえで買う。逆順でやろうとすると、たいてい止まります。

まず押さえる4つの柱。水・食べ物・明かり・情報

ペットボトルの水と懐中電灯など基本的な防災用品

最初にそろえるものは、四つの柱で考えると迷いにくくなります。水、食べ物、明かり、情報です。優先順位もおおむねこの順になります。

水は、飲むだけでなく手を洗う・口をゆすぐといった用途でも使います。備蓄量は一般に「一人あたり1日3リットル、3日分程度」が目安として語られますが、これは地域や住宅の状況で変わる話です。自治体が公表している目安を確認したうえで、自分の部屋に置ける量から始めるのが現実的です。2リットルのボトルを箱で置くのが難しければ、500ミリリットルのものを分散させる方法もあります。

食べ物は、加熱せずに食べられるものを軸にします。停電と断水が重なると調理はほぼできません。普段から食べているレトルトや缶詰を少し多めに買い、減った分を買い足す方法なら、消費期限切れを起こしにくくなります。「非常食」という別枠を作らず、日常の買い物の延長で回すのがコツです。

明かりは、停電した瞬間にいちばん困るものです。スマートフォンのライトも使えますが、それだけに頼ると通信手段の電池を照明で削ることになります。手元用のライトを一つ、部屋を照らすランタン型を一つ、という二段構えが動きやすくなります。

情報は、電池式やハンドルで充電できるラジオが中心です。通信が混雑するとスマートフォンからの情報取得は不安定になります。放送は電波が届く限り一方向に流れ続けるので、状況把握の土台として役立ちます。

単身だからこそ効く備え。連絡手段と情報の確保

一人暮らしで見落とされがちなのが、安否確認の段取りです。同居家族がいれば「無事かどうか」はその場で分かりますが、単身では、離れて暮らす家族や友人と連絡が取れるかどうかがそのまま安否確認になります。

まず用意したいのはモバイルバッテリーです。容量よりも、充電されているかどうかのほうが重要で、数か月に一度は残量を確認して継ぎ足しておきます。ケーブルも同じ場所にまとめておくと、慌てて探さずに済みます。

次に、連絡先の控えです。スマートフォンが使えない状況では、電話番号を思い出せないことがあります。家族の番号と、勤務先や管理会社の連絡先を紙に書いて防災用品と一緒に入れておくと、公衆電話や他人の端末からでも連絡できます。

そして、合流と連絡の決めごとです。災害用伝言ダイヤルの使い方を家族と共有しておく、連絡がつかない場合はどこを目指すかを決めておく。この二つを事前に話しておくだけで、当日の判断がかなり楽になります。単身の防災は物をそろえる話だと思われがちですが、実際には人とのつながりを確保する話でもあります。

ワンルームでも置ける。収納の工夫

ワンルームの収納棚に整理された生活用品

置き場所の問題は、「一か所にまとめる」という前提を外すと解けることが多いです。防災用品は、持ち出しやすさと収納性のバランスで置き場所を決めます。

玄関周りは、持ち出し用の一式を置く場所として優先度が高い場所です。靴を履いてそのまま出られる位置に、リュック一つ分のスペースを確保します。シューズボックスの上段や、玄関脇のわずかな隙間でも成立します。逃げる前提のものは、逃げる動線上に置くのが原則です。

ベッド下は、備蓄の水や食料を寝かせておくのに向いています。奥行きがあるので、キャスター付きの浅い収納ケースを使うと出し入れが楽になります。ただし就寝中の落下物を考えると、頭側ではなく足側に寄せておくほうが安全です。

クローゼットの下段は、季節外の衣類と競合しがちですが、上段より地震時に取り出しやすいという利点があります。重いものを下、軽いものを上に置くのは防災の基本でもあります。

もう一つ意識しておきたいのが分散です。すべてを一か所に置くと、その場所に近づけなくなったときに何も使えなくなります。明かりは枕元とリビングに一つずつ、水は玄関とベッド下に分けて、というように、少しだけ散らしておくと復元力が上がります。部屋が狭いほど、この分散は効きます。

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持ち出し用と在宅避難用を分けて考える

備えを二種類に分けると、何を買うべきかがはっきりします。逃げるための一次持ち出し用と、自宅にとどまるための在宅避難用です。

一次持ち出し用は、避難所や安全な場所へ移動するあいだをしのぐためのものです。重さが最優先で、背負って階段を降りられる範囲に収めます。明かり、飲料水、携帯食、モバイルバッテリー、常備薬、身分証の写し、簡易トイレ、防寒具あたりが中心になります。詰め込みすぎたリュックは、いざというとき置いていくことになりがちです。

在宅避難用は、建物が無事で自宅にとどまれる場合の備えです。単身の集合住宅では、こちらの比重が高くなることが少なくありません。ライフラインが止まっても部屋で数日過ごせるように、水と食料をやや多めに、簡易トイレを多めに、そして衛生用品とごみ袋を確保しておきます。断水時にいちばん困るのはトイレなので、ここを軽く見ないほうがいいでしょう。

二つを分けると、持ち出し用は「抜けがないこと」、在宅避難用は「量があること」という別々の基準で選べるようになります。抜けをなくすという意味では、持ち出し用の一式を防災士厳選の防災グッズ39点セット のようなまとまった形で用意して、そこに自分の常備薬や連絡先メモを足していく組み立て方も現実的です。

自分でそろえるか、セットを買うか

一つずつ買いそろえる方法には、自分の生活に合ったものだけを選べるという利点があります。一方で、買い物が何回にも分かれるため、途中で止まりやすいのが難点です。「あと簡易トイレだけ」の状態で半年、というのはよくある話です。

既製の防災セットは、この止まりやすさを避けるための選択肢です。ひととおりの品目がまとまっているので、最初の一式を短時間でそろえられます。防災の知識がある人が選定に関わっているものなら、自分では思いつかない品目まで含まれていることが多く、抜けの防止という点で意味があります。たとえば防災士厳選の防災グッズ39点セット【ディフェンドフューチャー】 は、防災の専門資格を持つ人が選んだ39点をまとめたもので、最初の一式を用意する用途に向いています。

ただし、セットを買う場合も中身の一覧は買う前に確認しておきたいところです。何が何個入っているのかが分かっていないと、後から足すべきものが判断できません。内容や価格は変わることがあるので、最新の情報は販売ページで確かめてください。

そして、どちらの方法を選んでも共通する話があります。買って終わりにはならない、ということです。飲料水と食料には消費期限があり、電池は放置すれば劣化します。半年に一度、あるいは季節の変わり目に、中身を出して確認する日を決めておく。カレンダーやスマートフォンの繰り返し予定に入れてしまうのが、いちばん忘れずに済む方法です。

防災セットという商品カテゴリの選び方そのものについては、https://zero-press.net/columns/bousai-set-erabikata で詳しく整理しています。明かりの器具だけをもう少し掘り下げたい場合は、https://zero-press.net/columns/led-flashlight-erabikata も参考になります。

よくある質問

Q. 最低限これだけは、というものを一つ挙げるなら何ですか

明かりです。停電は地震でも台風でも起こりやすく、暗い部屋では他の備えを取り出すことすらできません。手元用のライトを一つ、すぐ手の届く場所に置くところから始めるとよいでしょう。

Q. 賞味期限や電池の管理はどうすればいいですか

期限を一覧にして冷蔵庫の扉などに貼る方法と、点検日をカレンダーに繰り返し登録する方法があります。食料は普段の食事に組み込んで入れ替える、電池は使う機会のある機器と共通の規格にそろえる、といった工夫で管理の手間が減ります。

Q. 収納場所がどうしても見つからないときは

一度に全部を置こうとせず、玄関に持ち出し用のリュック一つだけ、から始めてください。そのうえで、水は箱ではなく小分けにする、簡易トイレのように薄く積める品目を優先する、といった形で少しずつ増やしていくと収まります。

Q. 防災セットを買えば、それで備えは完了しますか

完了とは考えないほうがいいでしょう。既製品は共通して必要になるものを中心に構成されているため、常備薬、眼鏡やコンタクトの予備、連絡先の控えといった個人差の大きいものは自分で足す必要があります。ペットがいる場合も同様です。

まとめ

一人暮らしの防災は、水・食べ物・明かり・情報という四つの柱から入ると迷いません。そのうえで、持ち出し用と在宅避難用を分けて考えると、それぞれ何を優先すべきかがはっきりします。

置き場所は、一か所にまとめるという前提を外し、玄関・ベッド下・クローゼットの下段へ分散させると、狭い部屋でも収まります。逃げるためのものは逃げる動線上に、とどまるためのものは奥でも構わない、という切り分けが目安です。

そして、点検の習慣を忘れずに。買った日がゴールではなく、半年に一度中身を確認する日を決めたところで、備えは動き出します。完璧な備えを目指すと着手が遅れます。まずは最初の一式をそろえて、足りないものを後から足していく。一人暮らしの防災は、その進め方がいちばん続きます。

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