毎月おなじ表を作っている。自動化を外に頼むときの伝え方
毎月、決まった日に同じファイルを開いて、同じ手順で表をつくる。システムから落としたデータを貼り付け、いらない行を消し、名前をそろえ、集計して、体裁を整えて、印刷して回す。半日から一日、そこに時間を使っている人は珍しくありません。
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毎月、決まった日に同じファイルを開いて、同じ手順で表をつくる。システムから落としたデータを貼り付け、いらない行を消し、名前をそろえ、集計して、体裁を整えて、印刷して回す。半日から一日、そこに時間を使っている人は珍しくありません。
こうした作業は、自動化できる部分が多くあります。ただ、自分で組む時間が取れない、組める人が社内にいない、前の担当者が作った仕組みが誰にも直せない、という理由で手作業が続きます。
この記事では、表計算の作業を外に頼んで自動化してもらう場合に、頼む前に何を数えておくか、何を伝えるか、作ってもらったあとに誰が直すのかを整理します。

同じ作業を毎月やっている、という状態
手作業が残りやすいのは、システムとシステムの間です。片方から出したデータを、もう片方が読める形に直す。この「直す」の部分が、表計算の上で人の手によって行われています。
作業の中身を分けると、だいたい四つに収まります。転記、突合、集計、体裁です。転記はコピーして貼ること、突合は二つの表を突き合わせること、集計は合計や平均を出すこと、体裁は見せるための整形です。
このうち、転記と突合は手順が決まっていることが多く、自動化しやすい部分です。集計も同様です。体裁は、見せる相手や場面で変わるため、どこまで固定できるかによります。
厄介なのは、例外の処理です。名前の表記が違う、去年から項目が増えた、特定の部署だけ様式が違う。ここが人の判断で処理されていると、自動化の設計に影響します。表計算の作業を自動化するツールを作ってもらえるサービスへの問い合わせのような相談窓口に問い合わせる場合も、例外の存在は最初に伝えます。
頼む前に、作業を分解して数える
まず、その作業が月に何回発生するのかを数えます。毎月一回なのか、週に一回なのか、依頼のたびなのか。回数が分かると、自動化する価値の大きさが見えます。
次に、一回あたりの所要時間です。正確でなくてかまいません。三十分なのか、二時間なのか、半日なのか。作業を細かく分けて、それぞれにかかる時間を書き出します。
誰がやっているかも書きます。一人しかできないのか、複数人で分担しているのか。属人化している場合は、その人が休んだときに止まるという別の問題も抱えています。
そして、いつやっているか。月末に集中しているのか、随時なのか。締め切りが決まっている作業は、遅れたときの影響も書いておきます。
数えていくと、思っていたのと違う結果が出ることがあります。面倒だと感じている作業が実は月に一回で三十分、意識していなかった作業が週に三回で毎回二十分、というような具合です。自動化する順番は、感覚ではなくこの数字で決めます。時間の合計が大きいものから手を付ける方が、効果が早く出ます。
ここまで書けば、依頼するときの説明はほぼできあがっています。
伝える材料をそろえる
いちばん役に立つのは、実物のファイルです。今使っているファイルと、元になるデータ、そして出来上がりの見本。この三つがあれば、作る側は何をすればよいかを具体的に把握できます。
社外に出せない情報が入っている場合は、内容を置き換えたサンプルを用意します。項目名と構造はそのままに、中の値をダミーにする形です。何を隠す必要があるのかは、依頼の前に社内で確認しておきます。
手順も文書にします。どのファイルを開き、何を貼り、どこを直し、どう保存するか。書き出してみると、自分でも説明できない手順が見つかることがあります。そこは、なぜそうしているのかを確かめておきます。
例外の場合の扱いも伝えます。データが足りないとき、想定外の値が入っていたとき、月をまたぐとき。人が判断していることを言葉にできると、自動化の設計に反映できます。
過去の分も何か月かまとめて渡せると、なお確実です。一か月分だけでは、たまたま起きなかった例外が見えません。半年分ほどあれば、どのくらいの頻度でどんな例外が出るのかが分かり、設計に織り込めます。
自動化しやすい作業と、しにくい作業
やりやすいのは、入力が決まった形で来る作業です。毎回同じ列、同じ並び、同じ形式。ここが安定していれば、処理は素直に書けます。
やりにくいのは、入力が毎回違う作業です。手で入力された表記のゆれ、追加される列、様式の違い。前処理として吸収できる範囲もありますが、限界はあります。
判断が入る作業も、そのままでは自動化できません。ただし「どういうときにどう判断しているか」を条件として書き出せれば、その部分は仕組みにできます。書き出せないものは、人がやる作業として残します。
最初から全部を自動化しようとせず、時間を食っている部分から取り掛かる方が現実的です。半分でも自動になれば、それだけで効果は出ます。
手作業を残す判断もあります。年に一度しか発生しない処理を自動化しても、費用に見合わないことがあります。自動化した部分と、人がやる部分の境目を決めて、手順書に書いておく方が、あとの引き継ぎが楽になります。

作ったあとに誰が直すのか
作った仕組みは、いつか合わなくなります。項目が増える、様式が変わる、システムが入れ替わる。そのときに直せないと、また手作業に戻ります。
だから、依頼の段階で保守の話をします。作った本人に直してもらえるのか、費用はどうなるのか、対応までにどのくらいかかるのか。年に何回くらい変更が起きそうかを伝えておくと、話が具体的になります。
自分たちで直せるようにしておく方法もあります。処理の中身を説明した資料を残してもらう、変更しそうな部分を設定として外に出しておいてもらう、簡単な変更の仕方を教えてもらう。
引き継ぎも考えます。担当者が変わったとき、次の人が使えるように。操作の手順書と、うまくいかなかったときの連絡先。この二つがあれば、しばらくは回ります。
元のファイルも残しておきます。自動化した仕組みが動かなくなったときに、手作業に戻れる状態を保っておくためです。しばらく並行して使い、問題が出ないことを確かめてから、手作業をやめる順番にします。
相談してみるときの進め方
最初から大きく作らず、いちばん時間のかかっている一本から始めます。動くものができれば、実際の使い勝手が分かり、次の依頼の精度も上がります。
依頼の前に、いくつか確認しておくことがあります。どの形で納品されるのか、動かすのに何が必要なのか、社内のパソコンで動くのか。環境の条件は、最初に伝えます。
テストの仕方も決めておきます。実際のデータで、手作業の結果と突き合わせて確認する期間を取ります。並行して動かす月を一度作ると、安心して切り替えられます。
費用の話は、案内に金額が書かれていないことが多いため、問い合わせのときに聞きます。作る範囲と保守の条件を含めて、見積もりをもらってから判断します。
よくある質問
費用はどのくらいですか。作業の複雑さと量によって変わります。実物のファイルを見てもらったうえで見積もりを取ります。
期間はどのくらいですか。内容によります。小さいものなら短く済みますが、例外の処理が多いと設計に時間がかかります。実際のデータで確認する期間も見込んでおくと、余裕のある計画になります。
今のファイルのままで頼めますか。多くの場合、今のファイルを見せるところから始まります。作り替えが必要かどうかは、見てもらって判断します。
社外に出せない情報があります。項目の構造を残して値を置き換えたサンプルを用意する方法があります。契約で扱いを定めることもできます。
あとから自分で直せますか。どこまで直せるようにするかは、依頼のときに相談できます。設定として外に出しておく作り方もあります。
使い方を教えてもらえますか。操作の説明や手順書を含められるかを、問い合わせのときに確認します。
複数の部署で使えますか。同じ処理を別の部署でも使う予定があるなら、最初に伝えます。後から広げるより、最初から想定して作ってもらう方が手戻りが少なくなります。
既存のシステムと連携できますか。読み書きできる形式と、社内の権限の条件によります。どのシステムから何を出しているのかを、依頼のときに具体的に伝えると判断が早くなります。
動かなくなったらどうしますか。連絡先と、手作業に戻す手順を用意しておきます。締め切りのある業務では、止まったときの代替手段を決めておくことが安心につながります。
まとめ
まず作業を分解して数えます。回数、時間、担当、締め切り。これを書き出すだけで、依頼の説明はほとんど揃います。
伝える材料は、実物のファイルと、出来上がりの見本と、例外のときの扱いです。判断している部分を言葉にできるかどうかが、自動化できる範囲を決めます。
作ったあとに誰が直すのかを、最初に決めておきます。自動化そのものについては https://zero-press.net/columns/sagyou-jidouka-manabu に学ぶ側の話を、事務作業を丸ごと外に出す選択肢については https://zero-press.net/columns/jimu-gyoumu-gaichu にまとめてあります。








