PRESS RELEASE 商品・サービス

紛争激化から3年 生存手段を奪われるガザ──イスラエルは破壊と殺害を止めよ

紛争激化から3年 生存手段を奪われるガザ──イスラエルは破壊と殺害を止めよ 国境なき医師団(MSF)日本のプレスリリース

出典: 国境なき医師団(MSF)日本

国境なき医師団(MSF)日本がPR TIMESで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

  • #その他

パレスチナ・ガザ地区における紛争激化から3年、いわゆる「停戦」合意から1年──。イスラエルは、ガザの人びとから生存の手段を徐々に奪い、ジェノサイド(集団殺害)を続けている。

国境なき医師団(MSF)は各国政府に対し、イスラエルによる破壊と殺害を今すぐ止めさせねばならないと訴える。 

ガザを分断し人びとを閉じ込める「イエローライン」

継続的な暴力の中で、パレスチナの人びとは殺害され、負傷し、強制的に移動させられている。医療は崩壊状態にあり、必要な物資の搬入も阻止されている。重要インフラも破壊され、ガザでは人が生きられる場所が失われつつある。

こうした状況をさらに悪化させているのが、イスラエルが設定した「イエローライン」だ。イエローラインは2025年10月に停戦が合意された際、イスラエル軍の第一段階の撤退位置として設定された境界線だ。しかし現在では、軍事拠点や土塁、そして建物の取り壊しによってその存在が強化されている。ラインの東側はイスラエルが支配しており、その範囲は西へ西へと広げられている。その結果、ガザの人びとはますます狭い区域へと押し込められている。現在、ガザの約65%をイスラエルが支配している。

イエローラインが移動するにつれ、近隣住民への脅威はさらに差し迫ったものとなっている。人びとはラインに近づくとイスラエル軍に撃たれる危険があるが、そのラインは明確に引かれているわけではない。MSFは、ラインの周辺で銃撃を受けた人びとの治療を続けている。イエローラインは、必要不可欠な援助の提供も妨げている。ライン近くの地域で銃撃が発生し、MSFが給水車による水の運搬を中止せざるを得なくなったこともあった。

ガザでMSFの緊急対応責任者を務めるアマンド・バゼロールはこう述べる。 

「イエローラインは単なる地図上の線ではありません。これは包囲と民族浄化の手段となり、生き延びるために必要なインフラや医療、水などから人びとを切り離しています」

攻撃で破壊されたガザ北部の街=2026年2月24日 © Craig Kenzie/MSF

水は1日6リットル 劣悪な環境で病気が広がる

暴力はイエローライン周辺だけに留まらない。いわゆる停戦下にありながら、MSFはガザ全域で、暴力による外傷への治療を今年6月と7月だけで1200件以上行った。爆発による負傷、熱傷、銃創、身体的暴行などによるものだ。この3年で見ると、意図的な暴力などによる外傷をMSFが治療した件数は20万件を超える。この間、イスラエルの軍事攻撃により、7万4000人を超える人びとが殺害された。この中には子どもも2万人以上含まれている。 

人びとは狭い区域へ追いやられているため、過密な環境の中で生活せざるを得なく、清潔な水や衛生、避難場所、医療も不足している。こうした状況が病気の拡大につながっており、MSFは今年だけで疥癬(かいせん)などの皮膚疾患を1万1000件以上治療し、6月と7月には水痘を1500症例以上確認した。MSFは8月に1日あたり約210万リットルの飲料水を供給したが、制限が続く中、水の需要は到底満たしきれないほど大きい。

ガザの医療活動マネジャーである医師のムラド・アサリヤはこう述べる。

「ほとんどの人にとって、1日に使える生活用水は6リットル未満で、石けんや洗剤などの衛生用品も入手が難しい状況です。MSFは、胃腸炎、急性呼吸器感染症、皮膚疾患、肝炎、細菌性皮膚感染症、疥癬、シラミなどの治療にあたっています。同時に、医療物資の深刻な不足に直面しています。疥癬の治療に必要なクリームさえ、イスラエル当局によって搬入を制限されているのです」

MSFはガザで清潔な水の供給を行っている=2026年2月24日 © Craig Kenzie

この3年で、医療をめぐる環境は壊滅的に悪化した。病院では基本的な物資がますます不足し、患者は必要不可欠な医薬品や治療を利用できなくなっている。エンジンオイルや交換部品などの必需品への制限は、病院、救急車、給水システムを稼働させるために必要なインフラも機能不全に陥らせている。発電機はすでに故障し、給水車による活動も縮小を余儀なくされている。

ガザにおける医療システムの崩壊、全建造物の8割以上の建物の損壊(国連発表)、繰り返される暴力と避難。それらが人びとの生涯にわたって及ぼす身体的・精神的影響は、現在をはるかに超えて続く。そして、今後何年にもわたり実質的な復旧を妨げることになる。 

廊下にもベッドが並んでいる、ガザ南部のナセル病院=2025年11月12日 © Nour Alsaqqa

イスラエルによる破壊と殺害を止めるため、各国政府は今すぐ行動を

この危機はガザに限られたものではない。ヨルダン川西岸地区と東エルサレム全域では2023年以降、入植者による暴力的な攻撃、軍事作戦、住宅・避難民キャンプ・農地への襲撃、違法な入植地の拡大、強制移動、家屋の取り壊し、移動制限が急速に増加しており、特に今年はその傾向が顕著だ。

MSFの診療所を訪れた患者たちは、イスラエル軍による家屋の破壊や、入植者による攻撃を受けたこと、また家畜が奪われたことなどをMSFのスタッフに語っている。パレスチナ人に対する暴力、嫌がらせ、強制移動の政策はガザを越えて広がり、パレスチナのさらなる分断を引き起こしている。

バゼロールはこう訴える。

「この3年間、そしてそれ以前の数十年にわたって引き起こされた被害からの回復には、何世代もかかります。その一方で、イスラエルが続けているジェノサイドの耐え難い影響は、今もなお毎日感じられているのです。破壊や強制移動、剥奪が常態化しており、イスラエルはこうした行為を何の罰も受けないまま続けています。各国政府は今こそ行動し、イスラエルによる破壊と殺害を止めさせ、民族浄化を阻止するとともに、パレスチナの人びとから生存手段を奪う行為を終わらせなければなりません」

ガザ北部で破壊された街を行くMSFの車両=2025年10月16日 © MSF

MSFのガザにおける活動

ガザ北部、南部、中部の13カ所の医療施設を運営・支援し、外科手術や出産介助、予防接種、栄養失調の治療、心のケアなどの活動を実施。避難生活を送る人びとへの清潔な水の提供も続けている。 

Zero Press のデータで見るこのリリース

配信元
国境なき医師団(MSF)日本(Zero Press 掲載 5 本)
配信サイト
PR TIMES
直近 7 日の配信
商品・サービス 6,870 本 / 全体 14,670 本

Zero Press が取り込んだ配信データから自動集計しています。カテゴリ別・業界別のより詳しい分析は週間動向レポートで毎週公開しています。

このジャンルのリリースを書くときのガイド

← 新着リリース一覧へ