大学生らの約7割が大食い動画出演者の健康を「心配」⁈ 調査から見える大食い動画に揺れる若者の本音 ~栄養・健康教育プログラムの実施と受講、「いぶくろう」マークの表示を提案~(お茶の水女子大学 生活科学部 食物栄養学科二年 横山陽)
※画像はイメージです 【エンタメとしての「大食い」の裏にある懸念】 SNSで食べ物に生クリームをたっぷりかけて食べて...

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【エンタメとしての「大食い」の裏にある懸念】
SNSで食べ物に生クリームをたっぷりかけて食べていたり、数キログラムに及ぶ大盛りの料理を食べていたりする人を見かけることがあります。大食いは定番のエンタメであり、現代でもSNSにおける人気ジャンルの一つであるといえます。人間の本能的な欲求を満たすこれらのコンテンツは一定の支持があり、注目を集めたり、収入を得たりするのに有効であると考えることができます。しかし、一方で、食べ物の摂取量には適切な量があり、過剰な量の食べ物を摂取したり、過度に栄養が偏った食事をしたりすることを続けることは体に負担をかけることになります。若年層での大腸がんが増えていたり、生活習慣病が問題視されていたりする現代において、「大食い」をしている人たちの健康被害が懸念されます。筆者自身も、栄養について学ぶ学生として大食いをしている人たちの健康が心配です。
【調査実施の背景と動機】
筆者は日々の食事が体に与える影響や健康問題に関心があるため、大食いしている人たちを見てその人たちの健康状態を心配だと感じます。一方で、大食い動画は多くの人に視聴されており、コンテンツとして、世間一般からの支持が高いことが考えられます。そこで、筆者の主観にとどまらず、世間一般の人たちは大食い動画や大食いを行う人々についてどのような認識をもっているのかを把握する必要があると考え、本調査を実施しました。本調査では、大学生ら135人の大食い動画の視聴意識に関する質問への回答を収集しました。
・全体の7割が大食いをしている人の健康を「心配」と回答
大食いをしている人の健康を心配だと思うかどうかを調査したところ、全体の約7割が大食いをしている人の健康が「心配だ」と答えています。
・大食い動画を見るのが「好き/どちらかというと好き」な人は約7割
大食い動画を見るのが「好き」または「どちらかというと好き」と答えた人の割合は66%であり、大食い動画が支持されていることがわかります。
この二つの結果をさらに分析すると、大食い動画を見るのが「好き」または「どちらかというと好き」と答えた人のうち、65.2%が大食いしている人の健康が「心配だ」と答えていることがわかりました。つまり、調査の母集団全体のうち約4割の人が“心配ではあるが見るのは好き”であるという複雑な感情を抱いていることがわかります。
【大食い動画を好む主な理由は「爽快感」と「ストレス解消」】
さらに、大食い動画を見るのが好きな理由について調査した結果、「爽快感」と「ストレス解消」が大多数を占めていました。
【大食い動画視聴者の心理=“代理満足”】
今回の調査における以上3つの結果から、大食い動画は「健康に悪そう」と思われながらも、爽快感を得たり、ストレスを解消したりする対象としてみられており、視聴者にとって“代理満足”を得ることができるコンテンツであることがわかります。
【専門家から見た、大食いが体に与える影響(雑誌『TIME』の記事より)】
~米国医師会も警告を示す~
雑誌『TIME』においてMutt Fuchs氏が競争的な食事が体に与える影響について執筆した記事の一部から、大食いによる健康への懸念がみられました。
“たくさん食べることにより常に膨らむ胃は、胃が空になるまでに時間がかかり過ぎる胃排出障害を引き起こす可能性があり、慢性的な吐き気、疼痛、嘔吐を引き起こします。特にスピードイーターは、心臓病や糖尿病など、不健康な食事に関連する他の病気を発症する可能性があります。米国医師会は、速食を不健康な行為として認めました。”(『TIME』「What Competitive Eating Does to the Body」by Mutt Fuchs)
【健康被害を防ぐための3つの提案】
①厚生労働省の栄養・健康教育プログラムの実施
②大食いに関するメディアの「いぶくろう」マーク表示の義務化
③大食いタレント・動画クリエイターの栄養・健康教育プログラム受講の義務化
調査の結果、大食いはエンタメとして一定の支持を得ながらも、視聴者や専門家に心配されていることがわかりました。大食いタレント・動画クリエイターの健康被害を防ぐためには、彼ら自身が健康への意識を高め、知識を身につける必要があります。大食いする人たちへの栄養・健康教育の実施とその促進を行うために、3つの提案をします。1つ目、厚生労働省が大食いタレント・動画クリエイターを対象とした「栄養・健康教育プログラム」を実施すること、2つ目、各メディアにおいて大食い番組を行う際に出演者に対して上記プログラムを行い、番組放映の際に栄養・健康教育プログラム実施済みであるマークとして「いぶくろう」マークの表示を義務化すること、3つ目、厚生労働省は、テレビで活躍する大食いタレントやSNSで一定数以上のフォロワーのいる大食い動画クリエイターに対し、栄養・健康教育プログラムの受講を義務付けること。人々の健康を守りつつ、大食いというエンタメを残していくにはこれらの実現が望ましいのではないでしょうか。
調査概要
・調査期間:2026年5月22日 ~2026年5月29日
分析期間:2026年5月30日 ~2026年6月16日
・調査対象:大食いタレントではない大学生、社会人
・調査方法:インターネットによるアンケート調査
・有効回答数:135名
【本件に関するお問い合わせ先】
胃袋の平和を守る会
代表:お茶の水女子大学 生活科学部 食物栄養学科二年 横山陽
Email:
【監修】
・お茶の水女子大学 共創工学部 教授 太田裕治
Email:
・総合コース(アントレプレナー)担当講師
株式会社MYコンパス 代表取締役 岩橋ひかり
Email:
・総合コース(アントレプレナー)担当講師
株式会社羽生プロ 代表取締役社長 羽生祥子
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