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「SNSに晒す」「写真をばらまく」と脅されたら?リベンジポルノ・脅迫・恐喝の違いと、投稿される前に取るべき対応を弁護士が解説

性的な画像で脅された場合、投稿前でも脅迫罪・恐喝罪などの刑法違反に問える。相手の要求内容で罪名が異なり、使える法律・手続も変わる。まずはやり取りを保存し、警察や弁護士に相談することが重要。

出典: 弁護士法人若井綜合法律事務所

弁護士法人若井綜合法律事務所が@Pressで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

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「この写真をSNSに晒す」「家族や会社に送る」「ネットにばらまかれたくなければ金を払え」――交際相手や元交際相手、マッチングアプリやSNSで知り合った相手から、このように言われていませんか。

性的な写真やプライベートな画像を握られた状態で脅されると、「実際に投稿されるまで何もできないのでは」「お金を払えば写真を消してもらえるのでは」と考えてしまうかもしれません。しかし、**まだSNSに投稿されていない段階でも、相手の要求や言動によっては刑法上の問題となる可能性があります。**実際に投稿された場合には、リベンジポルノ防止法などが問題になることもあります。

重要なのは、相手が「何をしたのか」だけではなく、何を要求しているのか、どのような写真なのか、どのような方法で撮影されたのか、実際に公開・送信されたのかを整理することです。事案によっては、脅迫・恐喝・強要などの刑法上の犯罪と、画像の公開等に関する法律が同時に問題となる場合もあります。

本記事では、「SNSに晒す」と脅されたケースを中心に、リベンジポルノ防止法、脅迫罪、恐喝罪、強要罪の違いを弁護士が整理します。さらに、投稿される前に残しておきたい証拠、相手に金銭を要求された場合の対応、すでに投稿されてしまった場合の削除や法的手続についても解説します。

最初に押さえておきたいのは時間軸です。

リベンジポルノ防止法(正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」)が処罰の対象としているのは、性的な画像を不特定または多数の者に提供する行為や、公然と陳列する行為です。つまり、投稿や配布が実際に行われたことが前提になっています。「投稿するぞ」という予告そのものを処罰する条文は、この法律には置かれていません。

予告の段階で問題になるのは、主に刑法です。脅迫罪・恐喝罪・強要罪は、いずれも相手に告げた時点で問題になり得る罪であり、その後に実行されたかどうかとは切り離して評価されます。相手が結局投稿しなかったとしても、告げた行為の評価が消えるわけではありません。

逆に、実際に投稿されてしまった場合には、刑法の罪に加えてリベンジポルノ防止法や後述の撮影に関する法律が重なってきます。予告の段階と実行後とでは、使える手段の数そのものが違うということです。

同じ「写真を投稿する」という一言でも、それに何がくっついているかで罪名が変わります。判断の軸は、相手が何を求めているかです。

| 相手が求めていること | 問題になり得る罪 | 法定刑 |

|---|---|---|

| 何も求めず、告げるだけ | 脅迫罪(刑法222条) | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |

| 金銭など財産を求める | 恐喝罪(刑法249条) | 10年以下の拘禁刑 |

| 財産以外の行為を求める | 強要罪(刑法223条) | 3年以下の拘禁刑 |

脅迫罪は、生命・身体・自由・名誉・財産に害を加えると告げる行為を対象としています。「写真をSNSに投稿する」という予告は、このうち名誉に害を加える旨の告知として問題になり得ます。

金銭を求められている場合は恐喝罪の問題になります。ここで押さえておきたいのは、実際に支払っていなくても未遂として扱われ得るという点です。「まだ払っていないから事件にはならない」という理解は正確ではありません。

復縁、会うこと、性的な行為、写真の追加送付といった財産以外の要求であれば強要罪の問題です。要求の中身が財産かどうかという一点で条文が分かれるため、相手の文言はできるだけそのままの形で残しておく意味があります。

もう一つの軸が、写真そのものの性質です。ここを取り違えると、使える手続を見落とすことがあります。

| 写真の性質 | 主に関係する法律 |

|---|---|

| 同意のうえで撮った性的な画像 | リベンジポルノ防止法 |

| 無断で撮られた性的な画像 | 性的姿態撮影等処罰法 |

| 性的とはいえない画像 | 名誉毀損、プライバシー侵害、肖像権侵害など |

リベンジポルノ防止法が想定しているのは、第三者に見られることを前提としていない性的な画像です。第三者が撮影対象者を特定できる方法でこれを不特定または多数の者に提供したり、公然と陳列したりした場合、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定められています。誰かに拡散させる目的で特定の人に渡す行為も、これとは別に対象とされています。

一方、盗撮など無断で撮影された画像については、令和5年に施行された性的姿態撮影等処罰法が適用され得ます。この法律は、撮影行為そのものに加えて、その記録を提供する行為も処罰の対象としており、特定少数への提供でも3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、不特定または多数への提供や公然陳列であれば5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金とされています。同意して撮られた画像より対象が広く、法定刑も重く設定されています。

性的とはいえない写真、たとえば一緒に写った日常的な写真であっても、それを説明文とともに公開されれば名誉毀損やプライバシー侵害の問題は生じ得ます。刑事の枠組みに乗りにくいというだけで、責任を問えないわけではありません。

罪名の切り分けは、言葉の整理のためだけのものではありません。次の三点で具体的な違いが出ます。

リベンジポルノ防止法の罪は親告罪とされており、被害者側の告訴がなければ起訴できません。これに対して脅迫罪・恐喝罪・強要罪は親告罪ではありません。予告の段階で警察に相談する場合と、投稿された後に処罰を求める場合とで、必要な書面が変わってくるということです。

投稿されてしまった画像の削除は、情報流通プラットフォーム対処法にもとづく削除の申出が入口になります。一定規模以上の事業者には、申出を受けてから原則7日以内に判断の結果を通知する義務が課されています。

さらにリベンジポルノ防止法には特例が置かれており、事業者が投稿者に対して削除してよいかを照会し、2日を経過しても不同意の申出がない場合には削除できる扱いになっています。性的な画像に限って手続が短く設計されているということです。

性的姿態撮影等処罰法には、押収された機器に記録された影像の消去や没収についての規定が置かれており、リベンジポルノ防止法違反にあたる記録も対象に含まれています。相手のスマートフォンの中にあるデータ自体をどうにかできるかどうかは、この種のトラブルで最も気になる点だと思いますが、その手がかりが刑事手続の側にあるという構造になっています。

やり取りをそのままの形で残す。スクリーンショットに加えて、アカウント名、日時、プロフィール画面、送られてきた画像そのものを保存します。削除される前に取っておくことが要点です。

金銭を渡さず、画像を追加で送らない。支払いに応じても画像が消える保証はなく、応じたという事実が次の要求の足がかりになることがあります。

自分だけで返答を続けない。感情的なやり取りが増えるほど、後から状況を説明しづらくなります。窓口を弁護士に一本化することで、相手との直接の接触を断つ選択肢があります。

早い段階で警察に相談する。緊急性がない場合の相談窓口として警察相談専用電話(#9110)があり、居住地を管轄する警察署の生活安全課でも相談できます。何を言われ、何を求められているかを具体的に伝えると話が早く進みます。

一つ目は、その場で支払ってしまうことです。相手が要求を止める理由がなくなり、金額が上がっていくことがあります。

二つ目は、自分のアカウントを削除することです。関わりを断ちたいという気持ちは自然なものですが、脅されたやり取りが自分の側からも消えてしまい、後から証拠として使えなくなることがあります。削除より先に保存です。

三つ目は、ブロックだけして放置することです。連絡は止まっても、相手が画像を持っている状態は変わりません。予告が続いているのか止まったのかを確認できなくなる点でも、対応の選択肢が狭くなります。

進める作業は三つに分かれます。投稿の削除、投稿した人物を特定するための発信者情報の開示、そして損害賠償の請求です。削除は投稿者が誰か分からない段階でも申し出ることができ、相手が匿名であっても手続自体は進められます。

なお、1対1のダイレクトメッセージのように不特定の人が受け取る通信にあたらないやり取りは、発信者情報開示の対象になりません。公開の投稿とダイレクトメッセージとでは、乗る手続が違うということです。

まだ投稿されていない段階でも、警察は相談に応じてくれますか。

予告の段階でも脅迫罪や恐喝罪の問題は生じ得るため、相談すること自体に支障はありません。やり取りの記録を持参できると説明がしやすくなります。

自分から送った写真でも、法律上の保護を受けられますか。

送ったことと、第三者に公開されることを承諾したことは別です。第三者に見られることを前提としていない画像であれば、リベンジポルノ防止法が想定する画像にあたり得ます。

相手が海外にいる場合はどうなりますか。

相手の所在に関わらず、プラットフォームへの削除の申出は進められます。刑事の手続や損害賠償の請求については、事案ごとに取り得る方法が変わるため、早い段階で確認しておくことをおすすめします。

「投稿する」という予告の段階で問題になるのは主に刑法であり、リベンジポルノ防止法は実行された後に加わる

相手が何も求めていなければ脅迫罪、金銭を求めていれば恐喝罪、それ以外の行為を求めていれば強要罪が問題になり得る

同意のうえで撮った性的な画像はリベンジポルノ防止法、無断で撮られた画像は性的姿態撮影等処罰法と、撮られ方で条文が変わる

罪名の境界は、告訴の要否・削除手続の進み方・相手の手元のデータの扱いという三点で実際の違いを生む

支払う前に、まずやり取りを保存し、自分だけで返答を続けない体制をつくることが出発点になる

若井 亮(わかい りょう)

代表弁護士 弁護士法人若井綜合法律事務所(東京弁護士会所属)

男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の脅迫的な言動にも毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために尽力している。

弁護士法人若井綜合法律事務所

https://wakailaw.com/

当事務所は、恐喝・脅迫被害をはじめとする男女間のトラブルを数多く取り扱ってまいりました(男女トラブルのご相談は類型23,000件以上お受けしてまいりました)。「家族や勤務先に影響が及ばないように」という点に最大限配慮しながら、内密かつ穏便な解決を最優先に対応いたします。すでに個人情報を知られてしまっている場合や、要求がエスカレートしている場合も、状況に応じて被害の拡大を防ぐ手立てがあります。

全国どこからでもご利用いただける無料相談を、メール・電話・LINEで24時間受け付けております。まずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が、解決へとつながります。

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