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税務調査の連絡が来たら何が起きるか。事前にできる備え

確定申告を自分でやっている人にとって、税務調査という言葉は落ち着かない響きを持っています。何か悪いことをしたわけではないのに、連絡が来たらどうしようと考えてしまう。まじめに申告している人ほど、この不安は強くなります。

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確定申告を自分でやっている人にとって、税務調査という言葉は落ち着かない響きを持っています。何か悪いことをしたわけではないのに、連絡が来たらどうしようと考えてしまう。まじめに申告している人ほど、この不安は強くなります。

不安の正体は、たいてい「何が起きるか分からない」ことです。どんな連絡が来て、何を見られて、何を聞かれるのか。全体の流れが見えていないから、想像だけが膨らみます。逆に言えば、流れが分かれば不安の大きさはかなり変わります。

この記事では、調査の連絡から終わりまでに何が起きるのか、そして普段からできる備えは何かを整理します。税額を減らすための話はしません。扱うのは、記録の残し方と、説明できる状態を作ることです。

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調査は連絡から始まるのが基本

多くの場合、調査は事前の連絡から始まります。税務署から電話や書面で連絡が入り、日程を調整するところが最初の接点です。ある日突然、予告なく来られる、という形が一般的というわけではありません。

連絡の時点で伝えられるのは、対象になる税目と、対象になる期間、そして日程の候補です。この段階で、都合が悪ければ日程の相談はできます。仕事の繁忙期や、資料をまとめる時間が必要な事情があれば、その旨を伝えて調整するのが普通です。

対象になる期間は、通常は過去数年分です。この期間の記録を揃えることが、当日までの主な作業になります。

連絡を受けたときにやることは三つあります。伝えられた内容を書き留めること。対象の期間の資料がどこにあるかを確認すること。そして、誰かに入ってもらうかどうかを決めることです。三つめについては後で詳しく触れますが、判断はこの段階でしておくほうが動きやすくなります。

なお、連絡が本当に税務署からのものかどうかは、確かめてかまいません。名乗った署名と担当者の名前を控え、必要なら管轄の税務署に自分から連絡して確認できます。

見られるのは記録と、その裏づけ

当日に見られるのは、申告した数字そのものではなく、その数字がどこから来たのかという記録です。

具体的には、帳簿。売上と経費をいつ、どこから、いくら記録したのか。次に、その裏づけになる書類です。請求書、領収書、契約書、納品の記録。そして、お金の動きが分かるもの。事業で使っている口座の記録がこれにあたります。

書類にサインをする人

見られているのは、数字と実物が合っているかどうかです。帳簿に書いてある売上が、実際の入金と対応しているか。経費として計上したものに、対応する支払いの記録があるか。合っていれば説明は短く済みますし、合っていない部分があれば、なぜそうなっているのかを説明することになります。

保存している期間も見られます。帳簿と書類には保存しておくべき期間が定められており、対象の年分について残っていることが前提になります。紙で残しているのか、データで残しているのかは、要件を満たしていればどちらでもかまいません。

ここで大事なのは、完璧な記録が求められているわけではないということです。求められているのは、その数字がどうやって出てきたのかを説明できる状態であることです。抜けがある場合も、なぜ抜けているのか、どう補えるのかを説明できれば話は進みます。

当日の流れと、聞かれること

当日は、事業の中身を聞かれるところから始まるのが一般的です。何をしている事業なのか、どんな取引先があるのか、仕事の受け方と代金の受け取り方はどうなっているのか。

これは詰問されているわけではなく、記録を読むための前提を確認している時間です。事業の形が分からなければ、帳簿の数字が妥当かどうかも判断できません。ここで自分の仕事を説明できると、その後の話が通りやすくなります。

そのうえで、個別の項目に入ります。よく話題になるのは、事業と生活の線引きです。自宅を仕事場にしている場合の家賃や光熱費、車の費用、通信費、飲食を伴う支出。これらは事業に使った部分とそうでない部分が混ざりやすく、どういう根拠で分けたのかを聞かれます。

現金のやり取りがある事業では、その扱いも見られます。記録の残りにくい取引ほど、どう管理しているかが問われます。

答え方で気をつけたいのは、分からないことを推測で答えないことです。「たしかこうだったと思います」と答えたあとで記録と食い違うと、話がややこしくなります。確認して後日回答する、という返し方はできます。その場で全部答えなければならないわけではありません。

普段からできる備え

ここまでが起きることの話で、ここからが備えの話です。特別なことは要りません。

まず、裏づけを残すことです。領収書や請求書を捨てない。データで受け取ったものは、消えない場所に保存する。月ごとにまとめておけば、探す手間も減ります。

次に、事業と生活を分けることです。可能なら口座とカードを事業用に分けておくと、記録の突き合わせが楽になります。分けていない場合でも、どれが事業の分なのかを記録の時点で区別しておきます。

そして、分けた根拠を書いておくことです。自宅の一部を仕事場にしている場合、面積で按分したのか、使用時間で按分したのか。車を仕事とそれ以外の両方で使っている場合、どういう基準で割ったのか。当時の考え方をメモとして残しておけば、後から聞かれても答えられます。数年前のことは、記録がなければ自分でも思い出せません。

記録をつける道具は何でもかまいません。会計のソフトを使っていても、表計算で管理していても、手書きでも、要件を満たしていれば問題になりません。大事なのは道具ではなく、裏づけとつながっているかどうかです。

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一人で対応するか、誰かに入ってもらうか

連絡が来たときに考えるのが、自分だけで対応するか、専門家に入ってもらうかです。

自分だけで対応することはできます。記録が揃っていて、説明できる状態であれば、それで話が終わることもあります。ただ、答え方によって話の広がり方が変わる場面はあります。聞かれたことに答えるつもりで話した内容が、別の論点を呼ぶこともあります。

税理士に立ち会ってもらうという選択肢もあります。当日その場にいて、質問の意図を確認したり、こちらの説明を補ったりする役割です。顧問として日頃から見てもらっている場合は、その延長で対応してもらえることが多くなります。

問題は、顧問がいない場合です。連絡が来てから探すことになり、引き受けてくれる先を見つけるところから始まります。しかも、こちらの事業や記録の内容を知らない状態からのスタートになるため、資料を一から説明する時間が必要になります。日程が決まっている中でこれをやるのは、思っている以上に負担です。

費用の面でも読みにくくなります。その都度の依頼は、作業量に応じて金額が決まるのが一般的で、事前に総額を見通しにくい。急いで探すため、条件を比べる余裕もありません。

ノートとペンが置かれた机

こうした事情から、あらかじめ備えておくという形のサービスもあります。月々の負担で加入しておき、連絡が来たときに日程の調整から当日の立ち会いまで対応してもらう、という仕組みです。たとえば税務調査の連絡が来たときの対応を月額で備えておけるメンバーシップのように、個人で事業をしている人や小規模な法人を対象にしたものがあります。

備えの仕組みを選ぶときに見るところ

こうした仕組みを検討する場合、見るところは決まっています。

対応の範囲です。連絡が来たときの日程調整から入るのか、当日の立ち会いまで含むのか、終わったあとのやり取りまで見てもらえるのか。どこからどこまでが範囲なのかを、加入の前に確認します。

対象になる条件も見ます。事業の規模や形態によって、対象になるかどうかが変わることがあります。自分の事業が対象に含まれるかどうかは、申し込みの前に確かめてください。

そして、使えるようになる時期です。ここは特に重要で、加入してすぐに使えるとは限りません。一定の期間を置いてから対応の対象になる、という条件が付いていることがあります。今回紹介しているものも、加入から30日を経過してからの利用となっています。つまり、連絡が来てから慌てて加入しても間に合わない仕組みだということです。備えというのは、そういう性質のものです。

費用の形と、やめるときの条件も確認します。支払いの周期がどうなっているか、途中でやめる場合にどう扱われるか。支払いの方法によって条件が変わることもあります。自分の事業の状況に合う形を選んでください。

なお、こうした仕組みは税額を減らすためのものではありません。調査への対応を支える役割のものであって、申告の内容そのものを有利にするものではない、という点は理解しておく必要があります。

よくある質問

どのくらいの割合で調査が来ますか。事業の形や状況によって変わり、一律の目安を示すことはできません。件数や割合について確かな数字を知りたい場合は、国税庁が公表している資料を確認してください。

赤字でも調査は来ますか。利益が出ているかどうかだけで決まるものではありません。記録と裏づけを揃えておくという備えは、業績にかかわらず同じです。

日程は断れますか。都合が悪い場合に相談することはできます。仕事の状況や資料の準備に必要な時間を伝えて、調整してもらう形が一般的です。ただし、応じないという選択ができるわけではありません。

顧問の税理士がいないと不利になりますか。不利になると決まっているわけではありません。ただ、答え方によって話の広がり方が変わる場面はあるので、入ってもらうことで負担が軽くなる面はあります。判断するのは本人です。

過去何年分を見られますか。通常は数年分が対象になりますが、状況によって範囲は変わります。連絡の時点で対象の期間が伝えられるので、その範囲の資料を揃えることになります。

記録が残っていない場合はどうすればいいですか。まず、残っている範囲を確認します。取引先に再発行を頼める書類、口座の記録から追える取引があるかもしれません。そのうえで、なぜ残っていないのかを説明できる形にします。隠すという選択は、状況を悪くするだけです。

まとめ

調査への備えは、特別なことをする話ではありません。三つに整理できます。

記録と裏づけを揃えます。帳簿の数字が、請求書や領収書、口座の記録とつながっている状態を作る。求められているのは完璧さではなく、数字の出どころを説明できることです。

生活と事業を分けます。可能なら口座やカードを分け、分けられない部分は按分の根拠をその場でメモに残す。数年前の判断は、記録がなければ本人にも思い出せません。

入ってもらう手を先に決めます。誰に入ってもらうのか、それとも自分で対応するのか。連絡が来てから探すと、時間も費用も読めなくなります。あらかじめ備えておく仕組みを使う場合は、対応の範囲、対象の条件、そして使えるようになる時期を必ず確認してください。加入してすぐに使えるとは限らないため、備えは平時に決めておくものです。

税理士の探し方と依頼の仕方は https://zero-press.net/columns/zeirishi-sagashikata に、事業を始めるときの届け出については https://zero-press.net/columns/kojin-jigyo-kaigyou-todoke にまとめています。

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