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辞める理由は直前まで出てこない。社外に相談先を置くという手当て

「お話があります」と言われた時点で、話の中身はほぼ決まっています。辞めますという言葉が出るとき、その人はすでに次の予定まで立てていることが多いものです。

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「お話があります」と言われた時点で、話の中身はほぼ決まっています。辞めますという言葉が出るとき、その人はすでに次の予定まで立てていることが多いものです。

そこから引き止めても、条件を上乗せする以外にできることがありません。そして、条件で残ってもらった場合、同じ話がまた起きます。

手を打てるのは、その手前です。この記事では、相談が上がってこない構造、社外に窓口を置く形、受けた相談の扱い方、管理職の側の負担、そして話を聞く時間の作り方を整理します。

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辞めると言われた時点では遅い

まず、順番を確認してください。

不満が生まれ、しばらく続き、どこかで見切りをつけ、次を探し、決まってから伝える。伝えられるのは最後の段階です。

だから、伝えられた時点で打てる手は限られます。ここに力を注いでも、成果は出にくくなります。

見たいのは、その手前で出ている兆しです。ただし、兆しは分かりやすい形では現れません。

遅刻が増えた、口数が減った。こうした変化は、体調や家庭の事情でも起こります。原因を決めつけると、かえって関係が悪くなります。

だから、こちらが観察して当てにいくのではなく、本人が話せる場を用意するという方向に切り替えてください。

そして、退職そのものを悪いことだと決めないでください。人が次の場所へ移るのは自然なことです。困るのは、理由が分からないまま繰り返されることです。

理由が分かれば、直せるものと直せないものを分けられます。給与の水準、仕事の内容、通いやすさ。会社の側で手を入れられる範囲は限られていますが、限られているからこそ、どこに手を入れるかを間違えたくありません。

社内に相談しにくい理由

次に、なぜ相談が上がってこないのかを考えます。

一つ目は、評価との距離です。相談する相手が評価に関わる立場だと、話す内容が変わります。

二つ目は、人間関係です。話した内容が誰に伝わるか分からないと、口が重くなります。

三つ目は、噂になる不安です。小さな組織ほど、誰が誰と話したかが見えます。

四つ目は、大ごとにしたくないという気持ちです。相談した結果、相手が処分されるところまで想像すると、言い出せなくなります。

つまり、相談窓口が社内にあること自体が、話しにくさの原因になっている場合があります。

窓口を設けているのに相談が来ない、という状況は珍しくありません。制度があることと、使われることは別です。

そして、相談する人の側にも幅があります。今すぐ動いてほしい人、聞いてもらうだけでよい人、判断の材料が欲しい人。同じ窓口でも、求めるものが違います。

社外に窓口を置くという形

受け付ける主体を、会社の外に出す方法があります。

社外の窓口なら、評価との距離が生まれます。話した内容が、そのまま人間関係に跳ね返る心配も減ります。

たとえば従業員が社外に相談できる窓口を設けるサービスがあります。案内では、管理職を含むすべての従業員が困りごとを相談でき、寄せられた相談を整理して組織の傾向として把握できる仕組みだとされています。詳しい機能と費用は公式サイトで確認してください。

導入する前に、確認しておきたい点があります。

一つ目は、匿名の扱いです。名前を出さずに相談できるのか、会社にはどこまで伝わるのか。ここが曖昧だと、使われません。

二つ目は、会社側に届く情報の粒度です。個別の内容がそのまま届くのか、傾向としてまとまるのか。

三つ目は、緊急性の高い相談への対応です。すぐに動く必要がある場合、誰にどう伝わるのか。

四つ目は、従業員への案内の仕方です。仕組みがあることを知らなければ、使われません。

そして、相談窓口の設置が法令上どこまで求められるかは、会社の規模や業種によって違います。自社に何が求められるかは、所管の官公庁の案内や専門家に確認してください。

向かい合って話す二人

受けた相談をどう扱うか

窓口を作っただけでは、状況は変わりません。受けたあとの扱いを決めておいてください。

まず、個別の対応と、傾向の把握は別の作業です。混ぜると、どちらも中途半端になります。

個別の対応は、相談した人の希望を確認するところから始まります。動いてほしいのか、聞いてほしいだけなのか。ここを飛ばして動くと、本人が困ります。

傾向の把握は、件数と内容の分類で行います。どの時期に、どういう種類の相談が増えているか。個人が特定されない形にまとめてください。

記録の残し方も決めてください。誰が見られるのか、いつまで保管するのか。個人に関わる情報を扱うため、共有の範囲は狭く始めるほうが安全です。

そして、対応した結果を残してください。何をして、どうなったか。次に似た相談が来たときの材料になります。

こうした記録や報告をまとめる作業では、書式をそろえておくと手戻りが減ります。毎回ゼロから作ると、必要な項目が抜けます。

役員や責任者への報告も、形を決めておいてください。件数と分類だけを定期的に上げる形なら、個人が特定されずに状況を共有できます。

机の上の書類とノートパソコン
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管理職の側にも相談先がいる

見落とされがちなのが、相談を受ける側です。

部下の相談を受ける立場の人は、内容を抱えたまま、誰にも話せないことがあります。上には報告しにくく、横にも共有しにくい。

そして、自分の言い方が適切だったかどうかを、判断する相手もいません。指導のつもりが強すぎたのではないか、と後から気になる場面があります。

外部の仕組みには、こうした側の相談も受ける形があります。伝え方に迷ったときに、事前に相談できる使い方です。

これは、管理職を守るだけでなく、受ける側の負担を減らします。抱え込んだ結果、その人自身が辞めてしまう例もあります。

小さな組織では、相談を受ける人が一人か二人に固定されます。その人に何かあれば、仕組みごと止まります。外に受け皿を置くことは、この一極集中への手当てにもなります。

そして、受けた側が自分を責めないための材料にもなります。判断が難しい場面では、第三者の視点が入るほうが落ち着いて対応できます。

人手が足りないから話を聞けない

もう一つ、現実的な問題があります。時間がないことです。

話を聞くには時間が要ります。ところが、人が少ない職場ほど、目の前の作業に追われています。

だから、聞く時間を作るには、他の作業を減らすしかありません。

減らし方は二つです。やめるか、外に出すか。

外に出す例として、必要なとき必要なだけ仕事を頼めるオンラインアシスタント【フジ子さん】のような形があります。案内では、必要なときに必要な分だけ業務を頼める仕組みで、短い期間から利用できるとされています。対応できる業務の範囲と費用は公式サイトで確認してください。

外に出しやすいのは、手順が決まっている作業です。入力、集計、日程の調整、資料の形を整える作業。

逆に、外に出しにくいのは、判断を伴う作業と、人に関わる作業です。相談を受ける役割そのものは、外に出しても意味がありません。

そして、外に頼む場合は、渡す情報の範囲を決めてください。従業員の個人に関わる情報は、社内にとどめるのが基本です。

まずは一つの作業だけを外に出して、様子を見てください。全部を一度に移すと、引き継ぎの手間で逆に時間を失います。

作った時間の使い道も決めておいてください。空いた分がそのまま別の作業で埋まると、話を聞く時間は増えません。

総務まわりの困りごとを整理する方法は、https://zero-press.net/columns/office-unei-komarigoto で扱っています。

勤怠や労務の仕組みを見直す手順は、https://zero-press.net/columns/kintai-roumu-shikumi で整理しています。

よくある質問

何人くらいの規模から必要ですか

規模より、相談が上がってきているかどうかで判断してください。少人数ほど社内では話しにくい面があります。

匿名でも対応できますか

仕組みによって違います。会社側にどこまで伝わるかを、導入の前に確認してください。

費用はどのくらいかかりますか

仕組みと契約の形で変わります。最新の内容は公式サイトで確認してください。

すでに社内に窓口があります

併存させて構いません。社内に言いにくい内容の受け皿として使う形もあります。

導入までどのくらいかかりますか

案内の周知まで含めて考えてください。仕組みが動いても、知られていなければ使われません。

相談が来なければ意味がないのでは

来ないことが良い状態とは限りません。使い方が伝わっているかを、まず確認してください。

記録はどこまで残すべきですか

必要な範囲にとどめ、保管の期間と閲覧できる人を決めてください。

まとめ

三点にまとめます。

一つ目は、相談は決める前にしか出てこないということ。伝えられた後では、打てる手が限られます。

二つ目は、受け皿を社外に置くこと。評価と人間関係の距離が、話しやすさを左右します。

三つ目は、個別の対応と傾向の把握を分けること。記録の共有範囲は、先に決めておいてください。

まずは、直近の一年で辞めた人の理由が、どこまで分かっているかを書き出してみてください。

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