「企業のAI活用に関する実態調査」を実施、AI格差を生む「5つの壁」と企業のナレッジ未整備の実態が明らかに
「企業のAI活用に関する実態調査」を実施、AI格差を生む「5つの壁」と企業のナレッジ未整備の実態が明らかに テクミラホールディングス株式会社のプレスリリース
テクミラホールディングス株式会社がPR TIMESで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

テクミラホールディングスの子会社であり、AIエージェントサービス【OfficeAI社員】を提供するネオス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:池田 昌史、以下 ネオス)はこの度、全国の就業者500名を対象に企業のAI活用実態を調査しました。生成AIの導入は広がる一方、多くの企業が「ツールは入れたのに成果が出ない」「効果を数字で示せない」という新たな課題に直面しています。本調査を通じて、その要因はツールの優劣ではなく、AI活用の成果を左右する“社内ナレッジの棚卸し”が手つかずのまま残されている点にあることが明らかになりました。
本リリースでは、調査結果の要点と併せて、AIを導入しても組織に定着せず、企業間の活用格差を生む「5つの壁」——形式知・暗黙知・再現性・ガバナンス・ROI——の構造をご報告します。なお、本調査の詳細な分析は、当社がまとめた『企業AI白書 2026』に収録しています。
▼本調査の主要指標(ネオス株式会社『企業AI白書 2026』/就業者 n=500)

<調査結果の要点>導入率ではなく、「社内知を引き出せるか」で差がついている
企業における生成AIの導入は一巡しました。しかし本調査では、成果を左右する社内ナレッジの整備がほとんど進んでいない状況が浮かび上がっています。要点は次の5点です。
01|導入は広がったが、活用は「浅い」
用途別に「活用が定着」しているのは9用途平均でわずか8.5%にとどまる。入口は広く、奥行きは浅いのが実態。
02|6割超が、ノウハウを言語化できていない
業務ノウハウ・判断基準が「個人の頭の中」または「一部のみ言語化」= 62.2%。
03|ナレッジ整理は、7割近くが未完了
社内ナレッジを体系的に整理・最新化できているのは 14.2%にとどまり、65.4% は「一部だけ」か「散在・未整理」。
04|それでも半数近くが、次のフェーズへ進もうとしている
整理が不十分なまま高度なAI活用へ進もうとする層が48.4%。順序が逆になっている。
05|帰結は、Shadow AI※と形骸化
社外AI(Shadow AI)の業務利用は58.6%。一方、測定可能なROIを明確に確認できているのは11.8%にとどまる。いずれも社内ナレッジが未整備なまま活用を進めた結果であり、その帰結が「Shadow AIの常態化」と、導入したものの成果が見えず定着しない「AI活用の形骸化」といえる。
※Shadow AI:会社が許可・管理していない外部AIの業務利用
本調査の結論
生成AIの導入率は、もはや競争優位ではありません。差がつくのは「社内に蓄積された知識・過去の答えを、誰もが安全に即座に引き出せる状態にできているか」です。整理されない知識の上に、どれほど高性能なAIを載せても、成果は限定的になります。
<FINDING 01>導入と活用のギャップ:入口は広く、奥行きは浅い ―― 「定着」は9用途平均 8.5%
導入しているAIサービスは、Microsoft365 Copilot が 39.4% で最多、国内ベンダー系 30.4%、ChatGPT Biz/Ent 28.2% と続きます。しかし用途別に見ると、活用が「定着」した段階に達しているのはごく一部にとどまります。
図1|Q2 導入しているAIサービス(複数回答・n=500/%)

図2|Q3 用途別の活用状況(n=500/%・主要4用途を抜粋)

社内知を扱う用途ほど、活用が浅い
「定着」比率が最も低いのは「暗黙知の継承」(6.8%)です。最も高い「資料作成」(14.2%)のような個人完結型の用途に対し、社内の知識を前提とする用途ほど定着していません。
使いこなせるのは一部、スキルは「個人任せ」
AIを活用できている要因については、「他人の事例参照・人から教わった」が最多の35.8%、次いで「業務時間外の自習・独学」が33.8%と上位を占め、あわせて69.6%が自主的な学びによるものでした。一方で、体系的な社内研修・教育があると答えたのは 26.0%に留まっており、AI活用は組織的な仕組みではなく、個人の努力に依存しているのが現状です。
図3|Q7 自分が生成AIを活用できている要因(複数回答・n=346/%)

能力差ではなく、仕組みの不在
格差の正体は、個人の能力差ではありません。活用に必要なプロンプトの型や社内情報を「仕組み」として共有できていないことにあります。裏を返せば、仕組みさえ整えば活用のすそ野が広がる余地は極めて大きいといえます。
<FINDING 02> ナレッジ未整備の実態:AIが学ぶ「教材」が、そもそも社内に無い
業務ノウハウと判断基準は、依然として個人の頭の中にあります。「一部のみ言語化」37.0%、「ほとんど個人の頭の中(属人化)」25.2% を合わせ、62.2% が未言語化の状態にあり、言語化・共有できているのは 13.8% にとどまります。
図4|Q14 業務ノウハウ・判断基準の文書化・共有の状況(n=500/%)

ナレッジの棚卸し・整理の進捗も同様です。体系的に整理・最新化できているのは 14.2% にとどまります。「一部の部門・領域だけ」39.8% と「散在・ほとんど未整理」25.6% を合わせた65.4%が、社内ナレッジの整理が出来ていないままAIを利用している状況です。
図5|Q15 業務ナレッジの棚卸し・整理の進捗(n=500/%)

ナレッジ未整備が生む、4つの「負の連鎖」

図6|Q10 情報を「探す」時間(1日あたり・n=500/%)

それでも 48.4% が、整理不十分のまま高度なAI活用へ進もうとしている(Q16)
土台となる社内ナレッジの棚卸しを飛ばしてエージェント化へ進めば、曖昧な判断基準がそのまま自動化され、誤りは組織全体へ増幅されます。整理・言語化は、あらゆる高度化に先立つ取り組みです。
再現性 ―― 同じツールでも、成果は3倍以上変わる
同一のツールを使っていても、成果物には明確な差が生じています。「3〜4倍」29.5%、「5〜10倍」11.3%、「10倍以上」4.6% を合わせ、45.4%が3倍以上の成果差を体感しています。
図7|Q6 同ツールでも感じる成果物の差(n=346/%)

再現性は「仕組み」でつくる
3倍以上の成果差は、個人のスキルの優劣ではなく、AIが参照できる社内ナレッジの差から生まれます。判断基準や過去の実例が「仕組み」として整っていれば、誰が使っても同じ答えにたどり着けます。
<FINDING 03>未整備の代償:社員は「社外AI」へ迂回し、効果は測れないまま止まる
社内で答えが返らないため、社員は社外AIに頼る。一方で、経営はROIを判断できません。ナレッジ未整備の影響は、ガバナンスとROIの両面に及びます。
ガバナンス / Shadow AI
社外AIを業務に利用した経験があるのは 58.6%(Q25)でした。入力された情報の内訳を見ると、社内資料 45.7%、契約書・仕様書 24.9%、顧客・取引先情報 22.9% と、機密情報が社外へ流れている実態が確認できます。
図8|Q26 社外AIに入力したことのある情報(複数回答・n=293/%)

ここで使われる社外AIの多くは、社内情報を学習していない汎用的なAI(ChatGPT等)です。そのため社内について尋ねても答えは返らず、答えられない・誤答が返ってきた経験があるのは64.7%(Q17)にのぼります。
社内で答えを返せるAIが整っていないため、社員は答えの出ない社外AIに機密を入力してしまう——こうした構造からガバナンスにおけるリスクが生じています。
図9|Q17 汎用AIが社内質問に答えられない/誤答が返った経験(n=346/%)

測定不能なROI / AI活用の形骸化
導入・PoCで測定可能なROIを「明確に確認できている」のは 11.8% にとどまります。「部分的に確認」41.0%、「確認できていない/未達」19.4%、「測定していない」16.8% を含め、88.2% が明確なROIを確認できていません。
図10|導入・PoCで測定可能なROIを確認できているか(n=346/%)

導入・活用を阻む要因
AIの導入・活用を阻害する要因として最も多いのは「使いこなす人材・スキル不足」42.8%、次いで「セキュリティ・情報漏洩不安」28.4%でした。「ROIが見えない」「効果的な使いどころが不明」がともに 19.4%、「社内データが未整備」15.2% と続きます。
図11|AI活用を阻む要因(複数回答・n=500/%)

禁止しても、社外AI利用は止まらない
社内AIで答えが完結する仕組みと、「探す時間の削減」のような測定可能なKPIを起点に据えることが、ガバナンスとROI、二つの壁を同時に越える道となります。
<STRUCTURE>AI格差を生む「5つの壁」:躓きの正体は、連鎖する5つの構造的な壁
課題はツールの良し悪しではなく、ナレッジの未整備を起点として「形式知・暗黙知・再現性・ガバナンス・ROI」の5つの壁が連鎖し、「効果が出ない・測れない・広がらない」状態を生むことにあります。
▼AI格差を生む「5つの壁」の連鎖構造


5つの壁は独立していない
探せない(壁01)から作り直し、言語化されない(壁02)から再現できず(壁03)、社内で答えが返らないから社外AIへ迂回する(壁04)。結果、効果を測る土台を欠いたまま(壁05)活用が広がらず形骸化します。これらの壁は連鎖しており、順序を守って越えていく必要があります。
<RECOMMENDATION>提言:順序を守る。棚卸しは遠回りではなく、最短路である。
本調査が示すのは、これらの壁を越えてAI活用の成否を分けるのが技術ではなく順序だという事実です。ネオスでは、以下の3ステップを提言します。
▼AI活用を成果に結びつける3ステップ

STEP 01|診断・棚卸し
社内ナレッジと判断基準を言語化・構造化し、探索コストを可視化します。ゴールは「会社の判断基準が、形になる」ことです。
STEP 02|基盤化・実証
社内データに基づく回答生成(RAG)と権限・監査を整備し、探索削減KPIで効果を測ります。ゴールは「誰でも『会社の正解』を引ける」ことです。
STEP 03|全社展開・エージェント化
再設計された業務フローへ実装し、型を共有して全社へ展開します。ゴールは「人が付加価値業務へ移る」ことです。
順序を逆にしてはならない
STEP 01を飛ばして STEP 03に着手すれば、曖昧な判断基準がそのまま自動化され、誤りは組織全体へ増幅されます。棚卸しは遠回りではなく、最短路です。
担当者コメント
「企業におけるAI活用の成否を分けるのは、モデルの新しさでも導入率でもなく、社内に眠る過去の答えを誰もが安全に即座に引き出せるかどうかです。本調査は、その土台がまだ整っていない実態を示しています。AIの性能がいくら高くても、それを支える知識が未整備であれば、成果は頭打ちになります。ナレッジ基盤の整備を起点に据えることが、活用格差・情報漏洩リスク・ROIを同時に前進させる最適解であり、私たちはその土台づくりから伴走し、企業のAI活用を支える存在でありたいと考えています」(ネオス株式会社 AX事業本部 副本部長 菊地 宏之)
Zero Press のデータで見るこのリリース
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- テクミラホールディングス株式会社(Zero Press 掲載 9 本)
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