PFAS「除去の先」へ静岡市で回収したPFAS濃縮物を低温亜臨界水で処理PFOS・PFOAは99.8%以上低減
PFAS「除去の先」へ静岡市で回収したPFAS濃縮物を低温亜臨界水で処理PFOS・PFOAは99.8%以上低減 株式会社 Aホールディングスのプレスリリース
株式会社 AホールディングスがPR TIMESで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

ウォーターサーバー事業などを手掛ける株式会社Aホールディングス(本社:山梨県富士吉田市)とグループ会社の駿河GXテクノロジー株式会社(本社:静岡県静岡市、以下「駿河GX」)は、静岡市清水区の三保雨水ポンプ場で行った実証実験で回収したPFAS濃縮物について、亜臨界水を用いた処理試験を実施しました。約220℃・60分、添加剤を用いた一部の試験条件において、処理後の分析試料中のPFOS・PFOA・PFHxSがいずれも分析装置の検出限界値50ng/L未満となったことを確認しました。今回の結果を本日(11月2日)開催したグループ事業発表会で発表しました。

PFAS対策では、水中からPFASを取り除くだけでなく、回収した濃縮物をその後どのように処理するかも課題となっています。今回の試験は、この「除去の先」にある課題に対し、より低い温度条件での処理可能性を検証したものです。
■ 水から取り除いてもPFASは消えない。「除去後」が次の課題
PFASは、水や油をはじく性質を持つ人工の有機フッ素化合物の総称で、自然界で分解されにくいことから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。国内では2026年4月からPFOSとPFOAが水道水の水質基準の対象となりました。
一方、水からPFASを除去してもPFASそのものが消えるわけではなく、回収された濃縮物にはPFASが残ります。
PFASの除去後に残る濃縮物の処理には、焼却や化学分解など、さまざまなアプローチがあります。
駿河GXでは、焼却を伴わず、比較的低い温度条件でPFASを処理できる可能性に着目し、高温・高圧の水を利用する「亜臨界水処理」を選択しました。
加圧浮上分離装置によるPFASの回収から、亜臨界水による分解処理までを一貫して行うとともに、処理後の生成物を新たな資源として活用する可能性も視野に入れ、研究開発と実証実験を進めています。
■ 静岡市の実証プラントで回収した「実試料」を使用
駿河GXは、静岡市清水区の三保雨水ポンプ場にて加圧浮上分離装置などを用いたPFAS除去の実証を進めています。これまでに、原水3,400ng/Lを処理後5ng/Lまで低減し、99%の削減を確認しています。
加圧浮上分離装置では、PFASを泡状の濃縮物(フロス)として回収します。今回の試験では、この工程で実際に回収したフロスを使用しました。処理前のフロスからは、PFOS 46,000ng/L、PFOA 66,000,000ng/Lが確認されています。
これを亜臨界水で処理した結果、一部の条件でPFOS、PFOA、PFHxSの3物質すべてが分析装置の検出限界値50ng/L未満となりました。処理前後を単純比較すると、PFOSは99.89%以上、PFOAは99.999%以上低減したことになります。
■ 約220℃の条件で処理、PFOS・PFOA・PFHxSが検出限界値未満に
PFASは炭素とフッ素の結合が強く、分解には一般に300℃以上の高温が必要とされてきました。今回用いた亜臨界水は、水の臨界点(374℃・22.1MPa)より低い温度で、加圧により液体の状態を保った高温の水です。本試験では容量2リットルの装置を用い、最高温度を約220℃に抑えながら、添加剤で反応を補う方法を検証しました。約220℃で60分処理した結果、一部の条件でPFOS、PFOA、PFHxSの3物質がいずれも分析装置の検出限界値である50ng/L未満となりました。
試料・条件
PFOS
PFOA
PFHxS
処理前(フロス)
46,000ng/L
66,000,000ng/L
未測定
処理後(約220℃・60分)
50ng/L未満
50ng/L未満
50ng/L未満
※「50ng/L未満」は分析装置の検出限界値未満であることを示します。
■ 「除去」と「その後の処理」を一つの流れへ
今後は、2リットル規模の試験結果をもとに、処理規模の拡大と条件の最適化を進め、実証プラントでのPFAS除去工程と、その後の処理工程を組み合わせた検証を目指します。さらに、処理後に残るフッ素を回収し、資源として再利用する「フッ素リサイクル」も構想しています。
グループでは、開発中の移動式・小型機の亜臨界水処理装置とも組み合わせ、処理規模や現場条件に応じた選択肢を示すことを目指します。Aホールディングスグループは、PFASをはじめとする環境課題に対し、第三者による検証を重ねながら技術開発を進めてまいります。
なお、Aホールディングスグループは本日、亜臨界水処理の研究開発、静岡市清水区での土地開発構想、グループ6事業の今後の展開についても発表しました。詳細は、別添「Aホールディングスグループ 11月2日 その他の主要発表内容」をご参照ください。
【別添】 Aホールディングスグループ 11月2日 その他の主要発表内容
■ 亜臨界水処理を資源循環へ 大阪大学内ラボで研究開発
亜臨界水処理は、PFAS以外の資源循環分野でも研究開発を進めています。高温・高圧の水で生ごみなどを分解し、燃やさずに肥料や液肥へ転換する技術で、駿河GXと提携事業者は大阪大学内のラボで温度・圧力などの処理条件を研究しています。あわせて、現場へ持ち込める移動式・小型機の開発にも取り組んでいます。
グループでは、亜臨界水処理装置、加圧浮上分離装置、発酵装置などを組み合わせ、「分解・分離・資源化」を一連で行う循環型処理システムの構築を目指しています。

■ 静岡市清水区で、防災と産業を両立する土地開発を構想
静岡市清水区では、宍原(ししはら)地区と三保貝島(みほかいじま)地区の2地区で土地活用を構想しています。新東名高速道路に近い宍原地区(約50万坪)では、防災機能を備えた工業団地や企業・工場誘致の拠点としての活用を構想しています。三保貝島地区(約1万坪)では、防潮堤機能を兼ねた盛土造成を計画し、造成地を活用した民間海洋研究施設の整備を構想しています。
いずれも、富士山噴火や南海トラフ地震などへの備えと、平時の産業振興を両立する土地活用を目指すものです。

■ 水、再生医療、資源循環、土地活用、エネルギー、安全・安心の6領域を展開
Aホールディングスグループは、社会課題を個別に捉えるのではなく、複数の事業を連動させて解決することを目指しています。主要領域は次の6つです。
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水:天然水・浄水型ウォーターサーバー、PFAS対策を展開。ネパールでは工場建設に向けた土地を取得しており、2026年11月24日に地鎮祭を予定しています。
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再生医療:細胞培養加工施設やクリニックなどを軸とした事業展開
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資源循環:亜臨界水処理による廃棄物の資源化とPFAS処理
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土地活用:宍原・三保貝島地区などでの防災・産業・研究機能を備えた土地活用
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エネルギー:高周波パワーエレクトロニクスやワイヤレス給電技術の研究開発
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安全・安心:防災・減災やシェルターなど、平時と災害時の双方で活用できる社会インフラの調査・研究
Aホールディングスについて
Aホールディングスは、駿河GXテクノロジーをはじめとするグループ各社を束ねるホールディングカンパニーです。グループ各社が、水・環境・医療・エネルギー・防災などの領域で社会課題の解決を目指し、事業・技術開発に取り組んでいます。
■会社概要
商号:株式会社Aホールディングス(https://a-holdings.jp)
所在地:山梨県富士吉田市上吉田4961番地1(本社)
代表取締役社長:粟井 英朗
事業内容:グループ会社の経営管理・事業統括。水関連事業、環境技術、再生医療、エネルギー、防災・土地活用などの事業を展開
資本金:100万円
設立:2014年9月
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- 調査・レポート
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