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富士急行創立100周年記念「冨士急三十六景」を発表 葛飾北斎をオマージュした江戸木版画を制作

富士急行創立100周年記念「冨士急三十六景」を発表 葛飾北斎をオマージュした江戸木版画を制作 富士急行株式会社のプレスリリース

出典: 富士急行株式会社

富士急行株式会社がPR TIMESで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

  • #イベント

 富士急行株式会社(本社:山梨県富士吉田市、社長:堀内光一郎)は、本日2026年9月18日(金)、創立100周年を迎えました。

 1926(大正15)年、「富士を世界に拓く」という志のもと創業した富士急グループは、100年にわたり、交通・観光・文化を通じて、富士山麓の魅力を届け続けてまいりました。このたび創立100周年を記念し、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をオマージュした「冨士急三十六景」を発表いたします。江戸時代、葛飾北斎が「冨嶽三十六景」を通して描いたのは、単なる山の姿ではなく、その時代を生きる人々と富士の関係性でした。北斎が描いた時代から約200年。見る場所も、移動手段も、旅のスタイルも変わりました。それでも人は、富士を見たいと思い、富士を残したいと思い続けています。

 「冨士急三十六景」は、100年にわたり富士山麓と向き合ってきた富士急グループだからこそ描ける、“現代の富士”の記録です。富士急グループを代表する施設や風景を描きながら、そこに集う人々、交差する文化、旅の記憶を浮世絵として記録することで、「現代における富士の風景とは何か」を問い直します。それは単なる観光プロモーションではなく、時代を超えて人々を惹きつけ続ける“富士という文化現象”を、未来へ拓いていく挑戦でもあります。

本企画では、富士急グループを代表する施設や風景を、江戸時代から受け継がれる伝統木版技法による浮世絵として制作。100年の歴史を表現するため、作品には昔の旅人、現代の観光客、日本人、海外から訪れた人々など、多様な人々を描き込みました。時代や国境を越えて愛されてきた富士山と富士急グループの歩みを、一枚一枚に込めています。

 今回公開する作品は10点。実は本家「冨嶽三十六景」も、後に人気を博して46図となったことで知られています。「冨士急三十六景」もまた、これから時代とともに景色を増やしていく——そんな想いを込めています。なお、作品は2026年10月10日(土)より、ハイランドリゾート ホテル&スパ地下1階にて展示予定です。

冨士急三十六景とは

 浮世絵は、かつて“その時代の風景や人々の営み”を記録し、広く届けるメディアでもありました。「冨士急三十六景」では、その伝統的な形式を用いて、現代の富士山麓に広がる風景を描いています。

 絶叫アトラクション、キャンプ場、バス、ホテル、ゴルフ場——。そこには、100年前には存在しなかった新しい富士の風景があります。しかしその一方で、人々が富士に心を動かされる感覚は、今も昔も変わりません。

 本企画は、浮世絵という日本独自の文化表現を通じて、“現代人にとっての富士”を描き残す試みでもあります。

 今回公開するのは、富士急グループを象徴する風景を描いた全10作品です。祖業である「富士山麓電氣鐵道」をはじめ、富士ゴルフコース、富士急ハイランド、アウトドアリゾート「PICA」、ホテルマウント富士など、100年にわたり富士山麓と向き合ってきた富士急グループならではの風景をモチーフにしています。

 地域・文化・未来をつなぐ“現代の冨嶽三十六景”として、「冨士急三十六景」をぜひお楽しみください。

■富士山麓電氣鐵道

 富士急グループの原点であり、創業時の社名でもある「富士山麓電氣鐵道」。1926年9月18日に設立し、“富士山に最も近い鉄道“として、100年にわたり山麓の暮らしと観光を支えてきました。本作品は三ツ峠駅〜寿駅間にある「がんじゃ踏切」を描いた一景で、現在の車両とともに、どこか懐かしさを感じさせる旅人たちの姿も描かれています。車体カラーは、創業当時の「モ1号」を踏襲した“さび朱色”。雄大な富士山の青との対比によって、鉄道の存在感を際立たせています。時代を超えて人々を運び続けてきた鉄道と、その車窓の先に広がる富士山麓の風景。富士急グループの原点ともいえる景色を、一枚の浮世絵に込めました。

※1926年9月18日設立。1929年に大月~富士吉田23.6kmの鉄道営業開始。現在は大月駅~河口湖駅の全長26.6 kmを結ぶ。

■富士ゴルフコース

 1935年開場、日本屈指の歴史を誇る名門ゴルフコース。山中湖畔の豊かな自然と、雄大な富士山を望む景観とともに、多くのゴルファーに愛されてきました。作品では、時代を超えてゴルフを楽しむ人々や、9番ホールのティーグラウンド横に立つ名物「角栄松(かくえいまつ)」を描いています。田中角栄氏がこよなく愛したことでも知られるこの松は、現在もコースを象徴する存在として親しまれています。芝の濃淡や木々の陰影、澄んだ空気感まで、木版ならではの繊細な色表現で表現し、長い歴史の中で受け継がれてきた山中湖畔の風景を一枚の浮世絵として表現しました。

※1935年8月に山梨県で初めてのゴルフ場として開場。開場当時の名称は「富士ゴルフ場」。

■アウトドアリゾート「PICA」

 森と人と自然をつなぐアウトドアリゾート「PICA」。本作品では、山梨県富士河口湖町の「PICA Fujiyama」を舞台に、キャンプの楽しさだけでなく、“自然の中で過ごす時間そのもの”を描いています。木々に囲まれたテントサイトには、焚き火を囲んで語らう人々や、サウナでくつろぐ人など、それぞれが思い思いに自然と向き合う姿が描かれています。

 また、月に映るシルエットは、撮影を楽しむ人が飛ばしているドローンです。何匹もの犬たちのほか、ドームテントに描かれた“満月ならでは”の動物も、ぜひ探してみてください。

 眺めるたびに新たな発見がある、“探す楽しみ”も本作品の魅力です。多様化する現代のアウトドアの楽しみ方と、富士山麓の自然の中でゆったり過ごす豊かさを、一枚の浮世絵に込めました。

※PICAは山梨県・静岡県・埼玉県・神奈川県で、全10か所のアウトドアリゾート施設を展開。

■山中湖と富士急バス

 地域の暮らしを支える交通として、そして富士山麓を訪れる人々を運ぶ存在として、長年走り続けてきた富士急行のバス。本作品では、富士山へ向かうさまざまな人々と、山中湖の風景を描いています。車内には、観光客、地元の人々、海外からの旅行者などが、それぞれ異なる目的や時間を抱えながら、同じ富士山麓の風景を共有しています。

 奥に見えるのは、山中湖遊覧船「白鳥の湖」、水陸両用バス「YAMANAKAKO NO KABA」。さらに河口湖から遊覧船「天晴(あっぱれ)」もやってきました。富士山、湖、バス、遊覧船がひとつの画中に重なり合い、“人が行き交う富士山麓”ならではの賑わいを表現しました。

 移動そのものが旅の記憶となる——。そんな富士山麓の風景を、一枚の浮世絵として描いています。

※1927年に乗合・貸切バスとして、御殿場~富士吉田~河口湖間及び大月~富士吉田間、富士吉田~河口湖~精進湖間の自動車営業を開始。

■富士急ハイランド

 数々の世界記録に挑み、独創的なアトラクションを生み出してきた富士急ハイランド。絶叫マシンと富士山が共演する風景は、富士急グループを象徴する景色のひとつです。

本作品では、富士山麓の雄大な自然を背景に、人々がスリルと高揚感を楽しむ姿を描いています。急加速、高低差、空へ駆け上がるような動きが、富士山の大きな存在感と重なり合います。さらに、画の中にはオリジナルキャラクター「絶叫戦隊ハイランダー」も紛れています。

 富士山麓の自然と、そこに集う人々の多様な楽しみ方。スリルを求める人も、風景を眺める人も、それぞれの時間を楽しめることも、富士急ハイランドならではの魅力です。大胆な発想で独創的な体験を生み出し、世代を超えて人々を惹きつけてきた——。その唯一無二の個性こそが、富士急ハイランドらしさです。絶叫マシン越しに富士山を眺め、その麓でスリルを身体いっぱいに味わう体験は、現代ならではの“富士との向き合い方”のひとつ。歓声と熱気に包まれた富士山麓のエネルギーを、一枚の浮世絵として表現しました。

※1961年12月に前身である「富士五湖国際スケートセンター」開場。1969年7月に富士急ハイランドとしてグランドオープン。

■ホテルマウント富士「はなれの湯」

 山中湖畔に佇む「ホテルマウント富士」は、“富士山を見るためのホテル”として長年親しまれてきました。本作品では、富士山と山中湖を一望できる絶景露天風呂「はなれの湯」を中心に、湯けむりの向こうに広がる静かな山麓の風景を描いています。

 温泉に身をゆだねながら雄大な自然と向き合う時間は、富士山麓ならではの贅沢な体験です。湯に浸かる人々の穏やかな空気感や、ゆっくりと流れる時間の気配まで、木版ならではの繊細な表現で描き込みました。富士山を“眺める”だけではなく、その景色の中で心と身体を解きほぐしていく——。そんな現代の富士との向き合い方を、一枚の浮世絵として表現しています。

※1963年7月開業。富士五湖エリアの国際観光ホテルや迎賓館として、多くの各国要人や著名人を迎える。

■初島

 静岡県熱海市の沖合10km、首都圏から最も近い離島として、多くの旅人を迎えてきた初島。富士急グループは60年以上にわたり、海の旅を支えてきました。本作品には、初島の風景とともに、その向こうを進む船も描かれています。

 島を象徴する初島灯台と、そこから遠く富士山を望む人々を中心に、ヤシの木にかかったブランコで遊ぶ人や、熱海が国産レモン発祥の地であることにちなみ、「初島レモン」のモニュメントも添えられています。

 また、数十年に一度だけ花を咲かせることでも知られる植物「竜舌蘭(リュウゼツラン)」も描かれています。海に囲まれた島の開放感と、遠くに望む富士山が織りなす、初島ならではの風景をお楽しみください。

※1964年7月、初島内にリゾート施設「初島バケーションランド」を開業。2006年に全面リニューアルを実施し、現在は「PICA初島」として、グランピング施設や海泉浴「島の湯」などを展開。     

■箱根遊船

 芦ノ湖の風景を彩る箱根遊船。湖上から望む富士山は、古くから多くの旅人たちを魅了してきました。本作品では、“お茶を楽しむ湖上体験”をコンセプトにした「箱根遊船 大茶会」と、“箱根・芦ノ湖に浮かぶ緑の公園”をテーマにした「箱根遊船 SORAKAZE」が描かれています。それぞれ異なる個性を持つ二隻の船が並ぶことで、時代とともに広がる箱根の船旅の魅力を表現しました。 

 湖畔には、箱根神社の平和の鳥居も描かれ、古くから信仰と旅の地として親しまれてきた箱根ならではの文化的景観が広がっています。湖面に映る光や水の色彩表現にも、木版ならではの繊細な技法が用いられています。

 伝統と新しい体験が交差する、現代の箱根・芦ノ湖の風景を、一枚の浮世絵として描いています。

※1911年7月に設立され芦ノ湖上で観光船事業が開始。富士急グループが伊豆箱根鉄道株式会社より遊覧船事業の譲渡を受け、2023年3月から芦ノ湖で事業展開開始。     

■スノーパーク イエティ

 富士山二合目に位置するスノーパーク イエティ。日本でいち早くシーズンインするゲレンデとして、多くのスキーヤーやスノーボーダーに親しまれてきました。本作品では、白銀のゲレンデを滑り抜ける人々と、その奥に広がる富士山の風景を描いています。雪煙を上げながら滑走する躍動感と、澄み渡る冬の空気感を、浮世絵ならではの表現で描き込みました。カラフルなウェアや思い思いに雪を楽しむ人々の姿には、現代のウィンターレジャーならではの賑わいが表れています。一方で、雪化粧をまとった富士山の静けさが、作品全体に凛とした空気を与えています。富士山を眺めながら自然と遊び、身体を動かし、季節を楽しむ——。冬の富士山麓ならではの風景を、一枚の浮世絵として表現しました。

 さらに本作品では、雪煙や雪面の一部に、雲母(鉱物の一種)を用いてきらめきを加える木版画の技法「雲母(きら)刷り」を取り入れました。光を受ける角度によってほのかに表情を変える輝きが、雪の粒子や冬の空気感をより印象的に引き立てています。

※静岡県裾野市にある屋外スキー場。1998年より27年連続で、屋外スキー場として日本最速のオープン記録を更新し続けている。

■富士芝桜まつり

 春の富士山麓を彩る「富士芝桜まつり」。関東最大級の芝桜の絶景は、国内外から多くの人々を魅了しています。本作品では、濃いピンク、淡いピンク、白に近い色合いまで、芝桜の繊細な色の重なりを丁寧に表現しています。

 画中右側には、“ミニ芝桜富士”も描かれ、春ならではの華やかな風景が広がります。実際の会場でも、約50万株もの芝桜が富士山麓を彩り、品種ごとに異なる花の表情を楽しむことができます。花畑を歩きながら景色を眺める人々や、思い思いに春の時間を過ごす姿には、富士山麓ならではの穏やかな賑わいが表れています。

 春の訪れとともに現れる、この季節だけの富士山の風景を、一枚の浮世絵として表現しました。

※「富士芝桜まつり」は、2008年に始まり、山梨県「富士本栖湖リゾート」で例年4月中旬から5月下旬にかけて開催される富士山を彩る春の風物詩。

国が認める伝統的工芸品「江戸木版画」で制作

「冨士急三十六景」は、浮世絵の画風を再現するだけでなく、江戸時代から受け継がれる伝統技法「江戸木版画」で制作しています。

江戸木版画は、2007年に「経済産業大臣指定伝統的工芸品」に指定された伝統的工芸品です。制作は、絵師、彫師、摺師がそれぞれの工程を担い、一色ずつ和紙に摺り重ねていきます。職人の手仕事による繊細な色の重なりやぼかし、和紙ならではの風合いも作品の見どころです。

約200年前、葛飾北斎が「冨嶽三十六景」で当時の富士と人々の営みを描いたように、「冨士急三十六景」では、伝統の技を受け継ぎながら、現代の富士山麓の風景を描きました。富士急グループの100周年を記念するとともに、日本の文化と職人の技を次の時代へつないでいくことも、本プロジェクトに込めた想いのひとつです。

高橋工房とは

「冨士急三十六景」の制作を手がけたのは、江戸木版画の伝統を受け継ぐ「高橋工房」です。

高橋工房は安政年間(1855~1860年)創業、160年以上の歴史を持つ浮世絵木版画工房です。代々「摺師」の技を受け継ぎ、四代目からは「版元」の暖簾も兼ねています。現在も、江戸時代から受け継がれる素材と技術・技法を用い、絵師、彫師、摺師による職人の手仕事によって浮世絵木版画を制作しています。

今回の「冨士急三十六景」も、この伝統的な制作工程によって一枚一枚仕上げられています。

絵師・専門家が語る「冨士急三十六景」

■田村久美子氏|絵師 コメント

「現代に北斎がいたら、どんな絵を描くだろう」。この企画のお話しをいただいてから、この問いと共に描いてきました。富士急グループの事業は常に人々の賑わいを生み、その中心にあったのは富士山です。これらの魅力をどう浮世絵に描き込むか、畏れながらもひとりの絵師として北斎に挑む日々は、この上ない挑戦であり、喜びと興奮として力をくれました。 創業100年の歴史とこの企画に携わる人々の想いをひとつひとつ拾いあげ描き、職人の方々とつくりあげた浮世絵が、また時代を越えて人々を魅了する一枚になることを願います。

【プロフィール】美術作家 田村久美子(たむら・くみこ)/長野県生まれ。日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業後、ロンドンで幅広くアートを学び絵画表現の可能性を広げている。「新たな風景画」の探求と共に、より「場」を意識した制作を試みながら、ホテルや企業と協業し、幅広く絵画を企画提案する活動を続けている。個展・グループ展を国内外で多数開催し、2018年には「association game “Dear Hokusai”」を発表するなど、浮世絵の世界にも着目した制作を行う。

■日野原健司氏|太田記念美術館主席学芸員 コメント

浮世絵は、江戸時代の人々が抱いた夢や楽しみを映し出し、広く伝えた身近な娯楽メディアでした。その代表ともいえる風景画の傑作が、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」です。70歳を過ぎた北斎が、長年の経験と豊かな想像力を駆使した大胆な構図が特徴で、浮世絵における風景画の表現を大きく切り拓きました。また、仕事に励む人、旅を楽しむ人、ふと富士山を眺める人など、富士山とともに暮らす江戸時代の人々の日常も生き生きと捉えられています。当時の人々は「冨嶽三十六景」を楽しみながら、富士山への憧れを深め、まだ見ぬ土地への旅にも思いを馳せたことでしょう。

(本文の続き・写真はPR TIMES掲載の原文をご覧ください)

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