「触っちゃダメ!」が子どもの好奇心を奪う? 親の何気ない一言が「苦手意識」をつくる理由
親の何気ない言葉が子どもの好奇心を無意識に止めていることがあります。脳科学的アプローチで、「やってみたい」という気持ちを育てるための親の関わり方と、苦手意識を変える方法を解説します。
株式会社脳レボが@Pressで配信したプレスリリースの原文を、Zero Press が転載して掲載しています。

「それ、触っちゃダメ!」
「危ないからやめなさい!」
「そんなことしなくていいよ」
子育てをしていると、子どもに対してこのような言葉をかける場面は少なくありません。
もちろん、子どもの安全を守るために必要な注意もあります。
しかし、親にとっては何気ない一言でも、子どもにとっては、その経験が「怖い」「汚い」「やってはいけない」というイメージとして残ることがあります。
そして、それが積み重なると、子どもが本来持っている「やってみたい」「知りたい」という気持ちにブレーキがかかってしまうこともあります。
では、子どもの好奇心や主体性を育てるために、親や周囲の大人はどのように関わればよいのでしょうか。
株式会社脳レボ代表の川谷潤太は、子どもの「好奇心」と「主体性」を育てるうえで、日常の中で生まれる「感情」に注目しています。
例えば、子どもが初めて虫を見つけたとします。
大人からすれば、
「虫が苦手」
「触りたくない」
「怖い」
という感情があるかもしれません。
しかし、生まれて初めて虫を見た子どもが、最初から同じように感じているとは限りません。
そこへ大人が、
「触らないで!」
「汚いよ!」
「怖いからやめなさい!」
と強い反応を示したらどうでしょう。
子どもはその様子から、
「虫=怖いもの」
「虫=触ってはいけないもの」
というイメージを学習していく可能性があります。
そして、似たような経験が繰り返されることで、虫を見ただけで「怖い」という反応が起こるようになる。
川谷は、こうした経験の積み重ねによって生まれる反応を「条件反射記憶」という考え方で説明しています。
つまり、子ども自身が経験することだけではなく、周囲の大人がどんな反応をするかも、子どもの「感じ方」に影響を与える可能性があるということです。
子どもの成長において重要なのが、「主体性」です。
「言われたからやる」のではなく、
「やってみたい」
「もっと知りたい」
「どうなるんだろう?」
と、自分から行動を起こす。
その原動力のひとつになるのが「好奇心」です。
好奇心があれば、子どもはさまざまなものに興味を持ち、実際に触れたり、試したり、失敗したりしながら学んでいきます。
一方で、
「失敗したら怒られる」
「やったらダメと言われる」
「どうせ無理」
という経験が積み重なると、行動する前から諦めてしまうこともあります。
「やりたい」のに動けない。
「興味はある」のに挑戦しない。
そんな状態につながる可能性があるのです。
だからこそ、子どもの好奇心を育てるためには、子どもが何をしたかだけではなく、周囲の大人がどんな感情や反応を示したのかを考えることが大切です。
ここまで読むと、
「私の子育ては大丈夫なのかな?」
「子どもに悪い影響を与えていたかもしれない」
と不安になる方もいるかもしれません。
でも、必要以上に自分を責める必要はありません。
子育ての中で、危険なものを「危ない」と伝えることも、やってはいけないことを教えることも当然必要です。
大切なのは、すべてを禁止することではなく、「危ないからやめなさい」で終わらせず、「なぜ危ないのか」を一緒に考えること。
そして、安全が確保できるのであれば、
「どうなると思う?」
「ちょっと見てみようか」
「やってみたい?」
と、子どもの「知りたい」という気持ちを尊重してあげることです。
同じ出来事でも、大人の関わり方によって、子どもの受け止め方は変わります。
そして、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。
一度身についた反応や苦手意識があったとしても、それを変えていくことは可能です。
例えば、梅干しを見ただけで「酸っぱそう」と感じ、唾液が出てくることがあります。
これは過去の経験と結びついた反応の一例です。
しかし、別のイメージや経験を繰り返すことで、反応が変化することもあります。
「梅干し=酸っぱい」のイメージを変えるには「梅干し=酸っぱくないよ」と否定しても、脳は「〜ない」を認識できないため、酸っぱい意識を変えることはできません。
ではどうすれば良いか?
例えば「チョコレート」を意識させるのです。このように、〜ないという否定ではなく、まったく別のイメージを与えることで、意識は変わるものです。
監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ 代表取締役
大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。
子どもの「苦手」も同じです。
「もう遅い」
「この子はこういう性格だから」
と決めつける必要はありません。
新しい経験を重ねることで、新しい感じ方や考え方を身につけていくことができます。
子どもの好奇心を育てるために、特別な教材や特別な方法が必ずしも必要なわけではありません。
毎日の生活の中にある、
「なんで?」
「どうして?」
「やってみたい!」
という小さな興味を、大人がどう受け止めるか。
そこから始めることができます。
子どもが何かを発見したとき、
「そんなことより、早くしなさい」
ではなく、
「何を見つけたの?」
と聞いてみる。
子どもが「やってみたい」と言ったら、
「危ないからダメ」とすぐに終わらせるのではなく、
「どうしたら安全にできるかな?」
と一緒に考えてみる。
そんな小さな積み重ねが、子どもの「自分からやってみる」という気持ちを支えていきます。
子どもの好奇心は、特別な場所で育つのではありません。
毎日の家庭での会話や、大人の何気ない表情、言葉、反応。
その一つひとつが、子どもの「感じ方」や「行動する勇気」に影響することがあります。
だからこそ、まずは大人自身が、
「この子は今、何を知りたがっているんだろう?」
と考えてみること。
それが、子どもの主体性を育てる第一歩なのかもしれません。
川谷潤太が提唱する「好奇心の育て方」。
次回は、子どもの「プラスの感情」を引き出し、好奇心を育てるために、家庭で実践できる具体的な方法について紹介します。
明るく、元気に、楽しく、笑顔で。
子どもの「やってみたい」を、一緒に育てていきましょう。
監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ 代表取締役
大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。
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