登山・ハイキング経験者の68.7%が「紫外線対策が不十分だった」と回答|標高1,000m上昇で紫外線量は約10%増加、ハチ刺され経験者の42.3%が「適切な対処法を知らなかった」
登山・ハイキング経験者の68.7%が「紫外線対策が不十分だった」と回答|標高1,000m上昇で紫外線量は約10%増加、ハチ刺され経験者の42.3%が「適切な対処法を知らなかった」 医療法人社団鉄結会のプレスリリース

【結論】本調査のポイント
結論から言うと、山の紫外線は平地より確実に強く、標高1,000m上昇ごとに約10〜12%増加します。ハチに刺された場合は、まず針を除去し、患部を流水で洗い冷やすことが基本対処です。刺された後に広範囲の腫れ、呼吸困難、めまいなどの全身症状が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があるため、直ちに救急受診が必要です。
・登山・ハイキング経験者の68.7%が紫外線対策の不足を実感
・ハチ刺され経験者の42.3%が適切な対処法を知らなかった
・標高が高い場所での日焼け経験者の78.0%が「予想以上に焼けた」と回答
用語解説
■ アナフィラキシーとは
アナフィラキシーとは、ハチ毒などのアレルゲンに対する急性の全身性アレルギー反応である。皮膚症状、呼吸器症状、循環器症状などが急速に進行し、重篤な場合はショック状態に至る可能性があり、迅速な医療対応が必要となる。
■ 紫外線(UV)とは
紫外線とは、太陽光に含まれる波長10〜400nmの電磁波である。皮膚への影響が大きいUVA(320〜400nm)とUVB(280〜320nm)があり、標高が上がると大気層が薄くなるため、地上に届く紫外線量が増加する。
■ ハチ刺傷とは
ハチ刺傷とは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどに刺されることで生じる外傷である。局所反応として疼痛・発赤・腫脹が生じ、全身反応としてアナフィラキシーを引き起こす場合がある。
ハチ刺され後の症状レベル別対応ガイド
症状レベル
主な症状
推奨される対応
軽度(局所反応)
刺された部位のみの痛み・赤み・腫れ(直径10cm未満)
針の除去→流水で洗浄→冷却→市販の虫刺され薬
中等度(広範囲の局所反応)
刺された部位周辺に広がる腫れ(直径10cm以上)、48時間以上持続
皮膚科を受診(抗ヒスタミン薬・ステロイド外用薬の処方)
重度(全身反応)
全身の蕁麻疹・呼吸困難・めまい・血圧低下・意識障害
直ちに救急車を呼ぶ(アナフィラキシーの可能性)
要注意(複数箇所)
10箇所以上を同時に刺された
症状がなくても医療機関を受診
過去にアレルギー歴あり
以前に全身症状を経験した方
エピペン携帯を検討・刺された場合は即座に医療機関へ
※一般的な目安であり、個人差があります。
皮膚科・形成外科を専門とする医療法人社団鉄結会アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、8月11日の「山の日」を前に、登山・ハイキングにおける皮膚リスクの実態と対策状況について、全国の20〜60代の登山・ハイキング経験者を対象にアンケート調査を実施しました。
調査背景
夏山シーズンを迎え、登山やハイキングを楽しむ方が増加する一方で、標高の高い場所では平地よりも紫外線が強くなること、また山岳地帯ではハチ刺されのリスクが高まることへの認知度は十分とは言えません。当院には毎年夏になると、山での日焼けによる皮膚トラブルやハチ刺されによる症状で来院される患者様が増加します。そこで「山の日」を前に、登山・ハイキング愛好者の皮膚リスクへの認識と対策の実態を調査し、安全な山行のための情報発信を行うことといたしました。
調査概要
調査対象:全国の20〜60代で、過去3年以内に登山またはハイキングの経験がある男女
調査期間:2026年7月13日〜7月22日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約7割が紫外線対策の不足を実感
設問:登山・ハイキング時の紫外線対策について、振り返ってみて十分だったと思いますか?

登山・ハイキング経験者の68.7%が紫外線対策の不足を認識しています。「やや不十分だった」が最多の43.7%を占め、標高の高い場所での紫外線リスクへの認識と実際の対策にギャップがあることが明らかになりました。
【調査結果】4割以上が標高と紫外線の関係を「知らなかった」
設問:標高が上がると紫外線量が増加することを知っていましたか?

標高と紫外線量の関係について、42.3%が「知らなかった」と回答しました。標高1,000m上昇ごとに紫外線量は約10〜12%増加するという事実の認知度向上が課題であることが示されました。
【調査結果】約3人に1人がハチ刺されを経験
設問:登山・ハイキング中にハチに刺された経験はありますか?

登山・ハイキング経験者の31.3%がハチ刺されの経験があり、遭遇経験者まで含めると70.0%に達します。夏山でのハチとの遭遇リスクの高さが改めて確認されました。
【調査結果】4割以上が適切な対処法を知らなかった
設問:ハチに刺された際の正しい応急処置を知っていますか?(ハチ刺され経験者への質問)

ハチ刺され経験者のうち、42.3%が適切な対処法を知らなかったことが判明しました。誤った対処法(口で毒を吸い出すなど)を行った人もおり、正しい知識の普及が急務です。
【調査結果】「日焼け止めのこまめな塗り直し」が最多
設問:今後、登山・ハイキングの際に強化したい皮膚対策は何ですか?(複数回答可、上位を単一回答として集計)

今後強化したい対策として「日焼け止めのこまめな塗り直し」が34.3%で最多でした。汗をかく登山中は日焼け止めが流れやすいため、2〜3時間ごとの塗り直しの重要性への意識が高まっています。
調査まとめ
本調査により、登山・ハイキング愛好者の多くが紫外線対策の不足を実感していること、また標高と紫外線量の関係やハチ刺されの適切な対処法についての知識が不十分であることが明らかになりました。特に、68.7%が紫外線対策の不足を認識し、42.3%がハチ刺されの適切な対処法を知らなかったという結果は、山岳での皮膚リスクへの備えに課題があることを示しています。安全な山行のためには、標高に応じた紫外線対策の強化と、ハチ刺されに対する正しい知識・対処法の習得が重要です。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、夏山での皮膚トラブルの多くは事前の正しい知識と適切な準備によって予防可能です。標高の高い場所では紫外線量が確実に増加し、また山岳地帯はハチの生息域と重なるため、両方のリスクへの備えが不可欠です。
まず紫外線について解説します。標高が1,000m上昇するごとに紫外線量は約10〜12%増加します。これは大気層が薄くなることで紫外線の吸収が減少するためです。標高2,000mの山頂では平地より約20〜25%紫外線が強くなり、さらに雪渓や岩場での反射も加わると、想像以上の紫外線曝露となります。登山中は汗をかくため日焼け止めが流れやすく、2〜3時間ごとの塗り直しが必須です。SPF50+、PA++++の日焼け止めを使用し、帽子、サングラス、UVカット素材の長袖シャツを組み合わせた総合的な対策をお勧めします。
次にハチ刺されについてです。夏から秋にかけてはスズメバチやアシナガバチの活動が活発化し、特に8〜10月は攻撃性が高まる時期です。刺された場合の基本対処は、(1)針が残っていれば横に払うように除去する(ピンセットでつまむと毒嚢を圧迫して逆効果)、(2)患部を流水で洗い流す、(3)保冷剤などで冷却する、(4)抗ヒスタミン成分配合の虫刺され薬を塗布する、という手順です。口で毒を吸い出す行為は、口腔粘膜から毒が吸収されるリスクがあるため推奨されません。
最も注意すべきはアナフィラキシー反応です。刺された後15〜30分以内に、全身の蕁麻疹、息苦しさ、めまい、動悸、血圧低下などの症状が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があります。この場合は一刻を争う事態であり、すぐに救急要請が必要です。過去にハチに刺されて全身症状を経験した方は、医師と相談の上でエピペン(アドレナリン自己注射薬)の携帯を検討してください。
【エビデンス】日本皮膚科学会の紫外線防御に関するガイドラインでは、アウトドア活動時にはSPF30以上の日焼け止めを2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。また、アナフィラキシーガイドラインでは、ハチ刺されによるアナフィラキシーの既往がある患者に対するエピペン処方の重要性が示されています。皮膚科医としての臨床経験では、山での日焼けは平地での日焼けより重症化しやすく、水疱形成を伴う2度熱傷レベルに至るケースも少なくありません。
登山時の紫外線対策チェックポイント
・SPF50+・PA++++の日焼け止めを出発前に塗布
・2〜3時間ごとの塗り直しを徹底(汗で流れるため)
・帽子・サングラス・UVカット長袖の併用で物理的に遮断
・標高が上がるほど対策を強化する意識を持つ
・曇りでも紫外線量は晴天時の60〜80%あることを認識
ハチ刺され対策と応急処置の要点
・黒い服装・香水・整髪料など刺激物を避ける
・ハチを見かけたら静かにゆっくり離れる(手で払わない)
・刺された場合は針を横に払って除去→流水で洗浄→冷却
・全身症状(蕁麻疹・呼吸困難・めまい)が出たら即救急要請
・過去にアレルギー反応があった方はエピペン携帯を検討
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 山の紫外線は平地より本当に強いのですか?どのくらい違いますか?
A. はい、標高1,000m上昇ごとに紫外線量は約10〜12%増加します。
標高が上がると大気層が薄くなり、紫外線を吸収・散乱する空気の量が減少するため、地上に届く紫外線量が増加します。例えば標高2,000mの山では平地より約20〜25%紫外線が強くなります。本調査では42.3%がこの事実を「知らなかった」と回答しており、認知度の向上が課題です。さらに残雪や岩場での反射も加わるため、想定以上の紫外線曝露となることを認識しておく必要があります。
Q2. ハチに刺されたらまず何をすべきですか?
A. 針が残っていれば横に払うように除去し、流水で洗い流してから冷却することが基本です。
刺された直後の対処手順は、(1)針が残っている場合は爪やカードなどで横に払うように除去(ピンセットで摘むと毒嚢を圧迫して毒が押し出される恐れがある)、(2)患部を流水で十分に洗い流す、(3)保冷剤や冷水で冷却する、(4)市販の抗ヒスタミン配合の虫刺され薬を塗布する、という流れです。本調査でハチ刺され経験者の42.3%が適切な対処法を知らなかったことが判明しており、正しい知識の普及が必要です。
Q3. ハチ刺されで腫れがひどいときは病院に行くべきですか?
A. 刺された部位周辺に広がる腫れ(直径10cm以上)や48時間以上持続する腫れがある場合は、皮膚科を受診すべきです。
局所反応として刺された部位が赤く腫れるのは正常な反応ですが、腫れが直径10cm以上に広がる場合や、48時間以上腫れが引かない場合は「広範囲の局所反応」として医療機関での治療が推奨されます。抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬の処方により、症状の軽減と回復の促進が期待できます。特に顔面や首を刺された場合は腫れによる気道への影響も考慮し、早めの受診をお勧めします。
Q4. アナフィラキシーの症状とはどのようなものですか?
A. 全身の蕁麻疹、呼吸困難、めまい、動悸、血圧低下、意識障害などの全身症状が特徴です。
アナフィラキシーは刺された後15〜30分以内に急速に進行することが多く、皮膚症状(全身の蕁麻疹・発赤)、呼吸器症状(息苦しさ・喘鳴・喉の締め付け感)、循環器症状(めまい・動悸・血圧低下)、消化器症状(腹痛・嘔吐)などが複合的に現れます。これらの症状が出現した場合は生命に関わる緊急事態であり、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。過去にハチ刺されで全身症状を経験した方は、次回刺された際により重篤な反応が起きる可能性があるため、医師にご相談ください。
Q5. 登山用の日焼け止めはどのようなものを選べばよいですか?
A. SPF50+・PA++++で、汗や水に強いウォータープルーフタイプを選び、2〜3時間ごとに塗り直すことが重要です。
標高の高い場所での強い紫外線に対応するため、最高レベルの紫外線防御力(SPF50+・PA++++)を持つ製品を選択してください。登山中は大量の汗をかくため、ウォータープルーフや汗に強いタイプが適しています。本調査では「日焼け止めのこまめな塗り直し」を今後強化したい対策として34.3%が挙げており、塗り直しの重要性への意識が高まっています。顔だけでなく、首の後ろ、耳、手の甲など露出部位すべてに塗布し、2〜3時間ごとに塗り直すことで効果的な紫外線防御が可能です。
放置のリスク
・山での強い紫外線曝露により、重度の日焼け(水疱形成を伴う2度熱傷)や光老化の促進、将来的な皮膚がんリスクの上昇につながる可能性がある
・ハチ刺されを放置した場合、局所症状の悪化や二次感染のリスクがあり、アナフィラキシー既往者は生命に関わる重篤な反応を起こす可能性がある
こんな方はご相談ください|受診の目安
・日焼けで水疱ができた、痛みが強い、広範囲に及ぶ場合
・ハチ刺されで腫れが直径10cm以上に広がった、または48時間以上持続する場合
・ハチ刺され後に全身の蕁麻疹、呼吸困難、めまいなどの全身症状が現れた場合(救急受診)
・過去にハチ刺されでアレルギー反応を起こしたことがあり、エピペン処方を相談したい場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・皮膚科・形成外科の専門医療機関として、日焼けによる皮膚炎やハチ刺されなどの虫刺症に対応
※新宿院一般皮膚科のみでの対応となります。
・首都圏6院(新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮)で土日祝日も診療
・監修医師は皮膚科・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験を持ち、多様な皮膚疾患に対応
・予約優先制でWeb予約に対応、待ち時間を最小限に抑えた効率的な診療を提供
アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階
アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F
アイシークリニック池袋院:東京都豊島区南池袋2-15-3 前田ビル9階
アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階
アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画
診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
ご予約はこちら
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック新宿院 皮膚科・形成外科
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック渋谷院
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック上野院
東京の粉瘤・ほくろ・できもの・赤ら顔・ワキガ治療 アイシークリニック池袋院











